オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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物理学300年の集大成のその後
マンハッタン計画で原爆開発プロジェクトを担ったオッペンハイマーと戦後発足された原子力委員会委員ストローズの話。
オッペンハイマーの名前ぐらいは知っているけれど…という状況で観賞したけれど、時期的には戦後、公聴会で問われるオッペンハイマーや更に後にストローズが議会の公聴会で質疑を受けながら、マンハッタン計画の立ち上げからの様子を振り返ってみせている体。なのかな?
この辺の事情に詳しい人ならピンと来るのだろうけれど、いつ、なぜ、何の為に、公聴会が開かれているのかイマイチ判然としない中展開していくし、マンハッタン計画にしても、オッペンハイマーは直接開発していた訳ではなく指揮していただけなんですね。
しかも、科学的にあれやこれやの障壁があったとかいう話しではなく、人員配置がどうとか軍部との交渉がどうのとかそういうこと?
ましてや愛人云々は何のこっちゃ?
それでも原爆開発に関する部分や掌返しの評価はまだ面白さもあったとは思うけれど、公聴会でのオッペンハイマーの告解の様なやり取りとか、ストローズの発言とか、そちらがメインな感じなのにそれはいらない様な…影響は機密情報へのアクセス権に関することと出世に関わることだけだし、本心を語る必要もないし、なんせ180分ですし。
見処が違うと言われたらそれまでだけど、自分にはハマらなかった。
複雑な感覚
開発された原爆がすぐに広島と長崎に落とされて22万人もの命を奪った現実が日本人の自分の中であまりにも重く、映画でのオッペンハイマーの心情を複雑な感覚で受け止めて、少々苦しかった。
こんな恐ろしい兵器が作り出された事実を忘れないためにも、この映画は価値があると思います。
当時アインシュタインが質量はエネルギーと同じである事を発見し、ウラン235に中性子を当てると核分裂して質量が減り、または水素同士が核融合してヘリウムになる時質量が減り、その減った分の質量が桁違いの莫大なエネルギーになるという事などが物理学の分野で一斉に論じられ、ドイツなど各国がそれを爆弾に利用するために開発を進めていたことなどを事前にかじっておくと、映画の中のセリフがより理解できると思います。
レイトショーのIMAXで2回目を観ました👀
タイのチェンマイへ旅行へ行った際に本作を観て以来、2回目の鑑賞です(確かレビューを投稿したはずなんですが見当たらないので再投稿💧)。
チェンマイで観た時は当然日本語字幕が無かったので、拙い英語力と場の雰囲気で、展開をイメージして観ました。それでもエキサイトして観られました。
今回満を持して日本語字幕のIMAX‼️皆さんが仰る通り、知的な会話が本作の大半を占めるので、ついて行くのに必死でした(ギリついて行けませんでした😅)。
その中でも病的に研究に没頭する男や、彼を取り巻く女性たちや、第二次世界大戦の背景や、共産主義との対立、核爆弾を生み出したひとりの人間の苦悩はスクリーンを通して、ありありと観られました。
言わずもがなですが、IMAXで観たのは正解でした。
大画面は勿論ですが、音の迫力、オッペンハイマーの心理描写は今まで体感した事のない得体の知れない恐怖を感じました。
マンハッタン計画、トリニティ実験のシーンの後には聴聞会のシーンが待っています。何人も証人が出て、合間にはストローズのシーンも挿入されるので、頭がこんがらがりそうになりますが、集中して観るとシーンの端々にグッと来るシーンや、ゾクっとするシーンが紛れています。是非お見逃しなく👀
この作品はアメリカ人作家原作(American Prometheus)の伝記を、イギリス人監督(Christopher Nolan)がメガホンを取り撮影した映画なので、日本人から見て腑に落ちない所もあるでしょう。
日本人から見た原爆も、アメリカ人から見た原爆も、確かな原爆です。様々な視点から恐ろしい科学兵器を見て考え、学ぶ事は人類にとって有益だと思います。
この作品は日本人にこそ観ていただきたい映画です。
原爆を落とすよりも議論を戦わせる方が、よっぽど平和で生産的です。
是非IMAXでご覧下さい!少し長いですが損はさせません👍
4つの時間軸を操るノーランらしさは堪能できるものの、オッペンハイマー同様、核の悲惨さから目を逸らしているようにも感じられる
何を考えているのかよく分からないようなキリアン・マーフィーのキャラクターが、オッペンハイマーの複雑な人間性にマッチしていて、正面からのアップを多用して、それに迫ろうとするかのような映像には引き込まれる。
ただし、オッペンハイマーの聴聞会と、彼を行政機関から追いやったストローズの公聴会が同時並行で進行し、しかも、それぞれの会での証言が回想形式で描かれるため、4つの時系列を頭の中で再構成しなければならず、話の流れをすんなりとは理解することができなかった。
物語の前半は、オッペンハイマーの女性遍歴や共産主義との関係性、あるいはナチス・ドイツやソ連への情報漏洩の疑いなどが大きく取り上げられて、彼がどうして原爆の開発にのめり込んだのかといったことは、比較的さらりとしか描かれない。
それでも、「自分が原爆を開発しなくても、いずれナチスが開発するはずで、それだったら、先に自分たちが開発した方がいい」という考え方からは、科学技術と戦争との切っても切れない関係性について考えさせられた。
開発した原爆を実験で爆発させるシーンは、この映画の最大の見どころといっていいだろうが、緊迫感と爆発の規模は伝わってくるものの、「恐怖」を感じることができなかったのは物足りないし、実験に成功した後の関係者たちの狂喜乱舞ぶりには、日本人として、やはり違和感を覚えざるを得なかった。
ただ、物語の後半は、原爆を開発したことによるオッペンハイマーの苦悩と葛藤が描かれることになり、広島への原爆投下後のオッペンハイマーの演説で、歓喜に沸く聴衆が、原爆の閃光で焼けただれ、苦悶し、嘆き悲しんでいるように見える描写からは、核の恐怖を描こうという意欲を感じ取ることができる。
その一方で、オッペンハイマーの経験したことが語られる以上、広島や長崎の惨状が描かれないのは致し方ないにしても、被爆者の状況を説明していると思われるシーンで、そのためのスライド画面は映さずに、そこから目を背けるオッペンハイマーの姿だけが描かれるところを見ると、彼と同じく、この映画も、原爆の悲惨さを直視することを避けているように思えてならない。
何よりも、オッペンハイマーの罪悪感や悔恨の念が、「広島」や「長崎」に向けられたものではなく、「人類を滅亡させ得る兵器を開発してしまった」という思いに由来しているという描き方には、どうしても、釈然としないものを感じてしまうのである。
揺さぶられ、揺れ続ける。
ノーラン天才…
初日にドルビーアトモスで鑑賞。
冒頭から引き込まれる演出で3時間、夢中になって見てしまった。何一つムダがない映画の撮り方に思わずうなる…
テーマも重く、おじさんがたくさん出てきてひたすら議論や追及をしている映画なのに、このエンターテイメント性の高さは何?!内容の濃さは何?!
クリストファー・ノーラン天才すぎる…
ただひたすら「オッペンハイマー」博士の内面の揺らぎとか苦悩を真摯に描いた作品でした。人間ドラマだけど、ドキュメンタリーなのではと錯覚してしまうほどのリアルさ、緻密さ。登場人物も多く時系列も入り組んでいてかなり複雑な映画だけど、私レベルの観客でもついて来れるようにわかりやすく描写しようとしているのは伝わってきた。わかりやすくするための演出がまた、スタイリッシュでうっとりする。
それでもついていけてないところがいろいろあるので(しかもかなり重要なところ…汗)これから考察したり学んでいきたいと思う。
日本で生まれ育った人にとっては他国の人が見るのとは違う視点が入ることは間違いない作品であり、そういう意味では観ているのがつらくなったシーンもあった。それも含めてこれから自分の中で消化していきたい。
良かった。
初アイマックスで鑑賞したが、この作品に限っては普通でいいかな、他は観たことないが。
反戦や核を取り沙汰されたが、オッペンハイマーの人物像を描いてるので個人的には日本の戦争映画に対しての、言い方が悪いがアンサー作品的では無いですね。
観る前はオッペンハイマーのイメージは固そうで、無口で黙っていても皆がついて来る的なイメージだったが、よく喋り、フレンドリーで、女好きで、ちょっとドジで人間味がありなんかホッとした感じでした。
当時のアメリカの歴史や政治を踏まえた上で鑑賞したら、もっと入り込めたと思う。
あっというまの3時間でした。
配信を待ちもう一回じっくり鑑賞したいと思う。
探求の2時間半・堪能の30分。 ★3.7
探求の2時間半・堪能の30分。 進展の把握に神経を研ぎ澄ます2時間半、と楽しめる時間は残りの30分・・そんな作品。 米アカデミーは又しても一般の方にはほぼ楽しめない様な作品に「冠」を呈した・・。
(感動の伝記ドラマを期待した方は、大きく裏切られるかもと・・)
オッペンハイマー博士の5つ位の側面が同時進行する。 物理学者として・政府要人として・複数の女性を愛した男として・被疑者として・ひとりの男から目の敵にされた者として・・・。
序盤からこの展開なので、なかなか引き込めない・・。
それぞれが2~3巡してようやく、各側面が進展していると理解出来、興味が追いつくが、楽しめてるというより、多い台詞を追うのに集中力が削がれ、解析しているという感覚になる。
その多い台詞が一般的な雑談などほぼ皆無で、重要会話が多いのでより、やっかいだ。
作品中、声を出して笑えるシーンはほぼ皆無で、作品時間の90%位を、緊張感を煽るようなBGMが流れている。 5つの側面はそれぞれ進むが、観てる方に感情に起伏がほぼ動かないまま、今作の山場に入る。
実験シーン・・。 この時間のみ他の側面をストップさせて、その瞬間に集中させ緊張感もクライマックスを迎える。
そう、夢中で画面に食い入て、作品を楽しめてる時間・・。
そして今作中、わずかな無音シーンでの会話は、トルーマン大統領が原爆投下の是非について話すシーン。
我々日本人なら、誰もが固唾をのんでその意向を知ろうとするはず。
(トルーマンは「真珠湾を忘れるな」の言葉を残したタカ派)
その後は再び、側面の再演。 今度は実験までと一変し、被疑者として・とある者から目の敵とされた一面にポイントが向けられる。
と同時に、時間軸に遡って描かれていたシーンが一気に結末に向かって増進する。
この時間帯も作品を楽しめてると感じ得る。
スパイ容疑を掛けられた彼は、果たして忠誠を証明出来るのか・・。
各俳優演技=
キリアンは常に緊張感を醸す演技で存在感はあるが、いかんせん喜怒哀楽のうち、哀ぐらいしか感情変化のない役なので、唸るほどの巧さは感じなかった。
ダウニーJrは終盤の役柄人物が本性を現した時の演技が見入って、なるほど助演男優を獲ったのは納得。
(が、私は彼のアカデミー授賞式の態度に、彼の主演作は今後 "劇場鑑賞しない" と決めた。)
デイモンも押しの強うそうな将軍を、ややふてぶてしい貫禄で上手く好演している。
等、役者陣はほぼ、キャスティングが功を奏していて、その人物を違和感なく表現出来ていると感じる。
総合して十二分な力作で、その凝った作風に"一本の作品を観た"という充実感は沸くが、鑑賞中、十分楽しめたか、あるいは何度でも観たくなるかと言えば、まったくそうでなく、感情移入出来るシーンもほぼなかった。
ノーラン監督は、2014年「インターステラー」までは多くの作品が私的に高評価だったが、「ダンケルク」「テネット」と今作で3連続やや期待外れに・・。
PS
今作ほど、鑑賞中に経過時間が推測出来ない作品は珍しい。
3時間を短くは感じなかったが、重要台詞を追うのに必死で退屈も感じず、実験シーンで2時間位・・終了してようやく3時間近く経ったのかと・・。
ただただ難しい
物理の知識は無くても大丈夫ですが、ストーリーが過去未来行ったり来たり、研究開発、恋愛不倫、政治軍事、聴聞会、倫理問題などが入れ替わり立ち替わり迫って来るため、予備知識無しの初見ではなかなか話に追いつけないと思います。
ネタがてんこ盛りなので3時間の長ーい映画ですが、それほど長くは感じないものの、頭の中で整理している間に終わった感があります。
きっとこの映画は数回見て楽しむ作品と思うので、初回はオッピーによる原爆開発過程と大量破壊兵器を生み出した苦悩、アメリカ人が原爆に抱くイメージを理解すれば、作品と役者は本当に素晴らしいので、良さがわかると思います。
聴聞会や政治軍事、恋愛のシーンは諦めて、2回目以降に噛み締めたいと思いました。
作られるべき映画ではなかった。
原爆を作った人の話
オッペンハイマーの弁明
結局は、アメリカ合衆国の原爆投下について肯定派の作品に思える。
何故なら、
祖国敬愛ためにその行為の正当性を主張し、祖国愛で蓑隠れしているからだ。
ところが、
アルベルトが量子力学の蓋を開けなかった解が解ける。
最初の立ち話の疑問と、
途中の不明な囁きと、
ラストの忠告は実に俊逸な示唆だった。
そして、
それは更に、
彼が祖国ドイツを逃れスイスへ、アメリカへと移住していることで物語っている。
つまり、
アインシュタインは知足の人で、
弁明の人ではなく実行の人だということが解る。
こんな見方も成立するかな…
( ^ω^ )
オッペンハイマー
Oppenheimer
劇場公開日:2024年3月29日 180分
「ダークナイト」「TENET テネット」などの大作を送り出してきたクリストファー・ノーラン監督が、
原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。
2006年ピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、
オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、
核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。
しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、
戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。
オッペンハイマー役はノーラン作品常連の俳優キリアン・マーフィ。
妻キティをエミリー・ブラント、
原子力委員会議長のルイス・ストロースをロバート・ダウニー・Jr.が演じたほか、
マット・デイモン、ラミ・マレック、フローレンス・ピュー、ケネス・ブラナーら豪華キャストが共演。
撮影は「インターステラー」以降のノーラン作品を手がけているホイテ・バン・ホイテマ、
音楽は「TENET テネット」のルドウィグ・ゴランソン。
第96回アカデミー賞では同年度最多となる13部門にノミネートされ、
作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞を果たした。
監督謂く…
ノーラン監督「好むと好まざるにかかわらず、J・ロバート・オッペンハイマーは未だかつてない最重要人物だ。
彼は良くも悪くも私たちが生きる今のこの世界を作り出した。
彼の物語を信じるには、それを目にするしかない」
オッペンハイマー
Oppenheimer
劇場公開日:2024年3月29日 180分
"三位一体"スゴかった…自分の発明にどこまで責任持てるか?結果についてのサイエンス・リアリティ
これは"結果"についての映画だ。パンドラの箱を開けてしまった"米国のプロメテウス"の苦悩と葛藤、そして…心理ホラーに夫婦愛、自らの創造物の望まざる結果とどこまで向き合うか、自分のそれら言動に対する誠実さをそれでも最後まで失わずにいられるのか?オッペンハイマーとノーランに共通するまるで新たな世界を生み出すような革新への妥協なき挑戦。
従来のノーラン映画より顔アップによる会話シーンの多さも顕著な気がするが、退屈するようなことはなく、むしろグイグイと引き込まれていく自分がいた。専門的な会話や、登場人物の数が多い分そこまでまだ顔と名前の一致しておらず馴染みのない人名飛び交う赤狩りなど当時の様子と少し難しさもあるが、上手く時間軸を解体して再構築する(流石は"時間"を扱ってきたノーランここでも!)ことで非常に力強いクローズアップによるファーストシーンとラストシーンはじめ、作中のセリフ一つ取っても効果的な差異を伴う反復が、作中至るところに仕掛けられていて演出意図も伝わるし、また考えさせられる。これはハッとさせられるし、やられた。
そう、慰めみたいな晩年のセレモニー・褒賞は、自分のためではなく、皆のため。自分が許されたのではなく、あくまで周囲・世間が納得するための免罪符みたいなものに過ぎないのだと。ノーランもそう思っているのかな(アカデミー賞獲ってあんなにちゃんと嬉しそうにしていたけど)?…などと要らぬ心配。この作品のコアアイデアとしてやっぱり、"自分の発明(作品)にどこまで責任持てる(持たないといけない)か?"みたいな部分はあると思うけど、映画も一度公開してしまえば、自分の手を離れて観客のものになるから。
ノーラン✕マーフィ=盟友コンビ新境地的要素も見出だせるけど間違いなく一つの集大成!! 映画としてのスペクタクルや求める意義、考えさせられるメッセージ性など詰まっていて本当にダメなところなど"ほぼゼロ"?画・音・演技あるいは撮影も編集も音楽も素晴らしく、これぞ"三位一体(トリニティ)"映画が総合芸術である所以にふさわしいサイエンス・ノンフィクション(リアリティ)。
"原爆の父" 彼が永遠に世界を変えてしまった…初期からノーラン作品常連として欠かせない存在であったキリアン・マーフィ待望の主演。そして、それに応えるような圧倒的熱演(オランダ語!大減量!!)で、初ノミネートに受賞も大納得。『ピーキー・ブラインダーズ』に負けず劣らずのイケメンっぷり(あの服装似合いすぎ!)だし、彼のこと好きな人間としては嬉しかった。"世界の警察"アメリカが舞台だからといってもちろん正義の話などではなく(原作未読だが原作も絶対そうだろう)て、もっと結果に伴う人間の内部を掘り下げた複雑な内容だが、監督主演ともに非米国人なわけだし、やはり外部の視点が持ち込まれたことで、そうした部分はより強固になった部分は意図した部分以外でもあると思う。にしても、もしかすると有名なエピソードだったりするのかもしれないけど、知らない身としては毒を盛るようないきなり主人公の闇描写が出てきて少し驚いた。しかもリンゴという"禁断の果実"なのが示唆的・象徴的。その瞬間、彼は"落ちた"のだ。神の仕業か悪魔の所業か?
功罪は表裏一体、ならば汚い手より真っ当に生きて責を負うべき!途中までオッペンハイマーとストローズは表裏の似た("ほぼ"同じ)立場として描かれるわけだが、それが徐々に乖離を見せ、最期決定的になる。何が2人を隔てたのか?それはやはり"誠実さ"。"権力とは(表に出ることなく)暗躍するものである"という考えを体現して、裏で糸を操ったストローズは敗北する…。そんなもう一人のメインキャラクターとして、"オッピー"と対立する執念深い役を演じたロバート・ダウニー・Jrも圧巻(『アイアンマン』のプロモーションで来日したときにヒドい目に遭ったかららしいけど本当に日本嫌いならこの役演じているのを見るのは日本人として複雑)!目力とその態度!!
フローレンス・ピューはやっぱりどの作品で見ても食う勢いで凄い存在感を放っている!ベニー・サフディは監督としてももちろん良いけど、役者としてもなんだか魅力あって好き(『テネット』にも出ているパティンソン主演『グッド・タイム』等)。ジョシュ・ハートネット最近ガイ・リッチー作品やシャマラン次回作控えているなどメインに復活してきて、『ラッキーナンバー7』の頃から見ていた身として嬉しい。はい、エミリー・ブラントはみんな好き。他にも想像を更に超えてくる超豪華キャスト。ざっと数えてもアカデミー主演男優賞受賞者が3名、それもそこまで大きくない役柄で。皆役の大きさ大小に関係なく出たかったのだろうな。実際それだけの価値のある素晴らしい作品だ。
ほぼゼロ
裁判じゃない
砂漠は知っている「地球を壊すな」
シーツを取り込め
証人リスト
オッペンハイマーの人生
アメリカでの公開当初から話題を呼び、アカデミー賞でも最多部門受賞。いよいよ観ることができた「オッペンハイマー」。
『とにかく登場人物が多い』
『時系列が入り乱れて混乱』
『会話劇に終始する為字幕速読マスト』
最低限の予習はして挑みましたが、難しかった…。多分まだ半分も理解できていないと思います。
それでも、映画作品として面白かった。
被爆国である日本としてはやっぱり複雑な思いがあり、実験の成功を喜ぶ様や、広島・長崎への投下後の歓喜に沸く人々の笑顔は、気持ちが良いものではありませんでした。
一方で、原爆を造り出したオッペンハイマーをはじめとする科学者達の苦悩もまた痛い程に伝わり、ノーランの言う【オッペンハイマーの脳内に入り、彼の人生の追体験をすること】が、少し出来た気がします。ラストシーン、アインシュタインとオッペンハイマーで交わした言葉が非常に重く、響きました。
天才物理学者の目から見る幻想的で美しい星空のような恐らく科学反応や、爆発の衝撃と波動、余韻…映像と音響の凄まじさは勿論期待通り。トリニティ実験での一部始終は、興奮と緊迫感が続き、まるで自分も現場にいるようで、映画館でしか出来ない体験でした。
これからまた、本作を深掘りしてみようと思います。きっと新たな気づきや発見がたくさんだろうな。
その作業がまた知的好奇心を満たし、楽しいのです。
現在進行形で戦争や侵略が起きてしまっているなか、反核映画を観て思うことを、ちゃんと胸に留めておこうと思います。
アメリカの司法制度、歴史を理解しなければ難しい
重さ、最重量。
豪華共演陣を見るだけでも…なんて言ってられないか…
テーマは重かった…
でもノーラン監督だしね、観なくちゃね。
苦悩の演出は流石だし、音の使い方が…怖くてイイなぁー
あと、(個人的に)久しぶりに見る俳優さんが沢山おじさん化して出ていて、それも楽しかったなぁ〜
言葉ではこんな軽い事しか言えません。
思っていたストーリー展開とは違いましたが、そんなことがあったとは、という勉強にもなりました。
冒頭と山場では思いがけず涙、涙、
「自分は開発しただけ」という言い訳が通じないと密かに悟ってからこその苦悩と幻影に、何度か息苦しくなってヤバいと思ったほど…。
マジで深呼吸して自分を落ち着かせました。
演じる役者さん達も辛かったろうなぁ〜と思います。
(辛かったろうなぁ〜と思いたい)
余談ですが、bonesというアメリカドラマでホッジンズというオタクの博士が「ヒロシマ以前に世界には無かった物質が含まれているから、その土が付いてるこの骨は比較的新しい」とかなんとか言っていたのを思い出しました。
アメリカのどこかに埋まっていた骨を採掘してたから、そんなに世界中にちらばったんかぃな!と驚いた記憶が。
戦争中の今に観る原子爆弾開発の衝撃作
先ずやっぱりアカデミー賞作品だなって思った。映画ツウの人が観る作品である。私はそういう作品は毎年苦手だが今作はそれなりに楽しめた。理解が追いつかない部分もあり、テンポが結構早く独特な伝え方をしている。→読み取れる人と全くそうじゃない人(よく分からん)に分かれます。
本題、この戦時中の今にこの内容は凄い!設定時代は第二次世界大戦あたりだからリアルではないけど、こんな感じで原子爆弾は出来たのかって観てました。そこからの広島、長崎投下😭 悪的爆弾も開発チームに取っては画期的な商品を作ったかのような喜ぶ姿とか、ビックリ。
あと爆発シーンの音!嫌だったなー。怖いっていうかなんか嫌な感じ。
ま、こんな感想が書けるだけ楽しめたってことかな。
なので甘くつけて3.5
難しくも非常に興味深く観られた
主演の俳優は知らなかったし、オッペンハイマーの本当の風貌も知らないので私の中ではもうこれがオッペンハイマーです。
オッペンハイマー、ユダヤ人だったのですね。
ドイツの物理学実験に先を越されないためにというのがそもそもの発端。
だんだんと、実験そのもの以外(ロスアラモスの研究員達の調整だったり、軍との折衝だったり)に振り回されていって可哀想になってきてしまった。
広島、長崎への投下は全否定したいですが、日本が降伏しないことを米国も憂いていたのはやはり事実だったのだろう。1943年になーんにもない土地にロスアラモス研究所(先駆け)を作っちゃうアメリカ。日本が勝てる相手ではなかったなと改めて心が痛くなる。
私はこの映画は決してアメリカの原爆使用を肯定しているわけではなく、今後の世界の反核への願いがあるように感じました。
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