「観た後で読んでください」オッペンハイマー ゴメスさんの映画レビュー(感想・評価)
観た後で読んでください
面白かった。そろそろ終演の週、TOHOシネマズで鑑賞。大部屋で時間帯が遅く、そこそこ入ってるくらいで、快適だった。
オッペンハイマーの過去から入り、ロスアラモス研究所、実験の成功、原爆投下後の栄光から一転、ソ連のスパイではないかと疑われ、委員会から無意味で長い尋問を受ける、という展開になっている。
アインシュタインとの会話や他の科学者たちとの関わり、才能のある者だけが参加できるところをいいなと思って見ていた。
爆音もすごくて迫力があった。
原爆投下計画については、私も日本人であるし、複雑な思いだった。結果日本は世界で唯一の被爆国となった。日本軍の圧力と政府の対応が甘かったせいでもある。戦争で被害を受けるのはいつでも一般人だ。
ロスアラモスでも、研究中に被爆した人がいるかもと、検索してみたら、科学者の中に被爆して死んだ人がいたらしい。
ロスアラモスでの展開はテンポが良くて面白かった。爆音は何故か無音にしていた。しかし後半の尋問場面は長く退屈だった。史実を忠実に表現したかったのだろう。本当にバカバカしい質問ばかりだった。
トルーマンがバカっぽく描かれていたのは、当時の政府への皮肉の様に思えた。ゲイリー•オールドマンどこに出てたっけと思ったらこの役だった。
委員会からの尋問のシーンで裸の二人がイメージで出てたけど、これはいらないんじゃないかと思った。そこまでプライベートに立ち入られてたという表現かもしれない。ポール・トーマス・アンダーソンの「マスター」でもそんな幻想シーンがあったけど、いる?そのシーン。印象づけしたいだけでしょう?
ストローズ役の俳優が受賞して、アカデミー賞でアジア系のプレゼンターと目を合わせなかったことが話題になっていたが、彼は役に忠実に振舞ったのかな。
核が地球を滅ぼす。そんな日が来ないことを祈ります。