「マッドサイエンティストとは」オッペンハイマー Film_Montageさんの映画レビュー(感想・評価)
マッドサイエンティストとは
メメントやダークナイトシリーズ、インセプションやTENETといった、今まで見た事がないような映画を意欲的に作り続けているクリストファーノーラン監督。
彼が原爆の父と言われたオッペンハイマーの生涯を通して原爆の製造の裏側とその葛藤を描いた映画、その名も「オッペンハイマー」はアカデミー賞を席巻し、公開前は日本での公開は無いかもしれないと噂された本作品。
今日、劇場で観てきたが素晴らしい作品だったと思う。もちろん時代背景があり、人類が人類を滅ぼしかねない巨大な力を手にしてしまった事は悲しい事であり、劇中でも懸念していたが、現在は共産主義国家が独自に核兵器を製造所持する時代になってしまった。
第二次大戦下であり、各国が疑念を持つなか相手よりも強力な兵器を持つことを競ったのは仕方ない事だと思った。
おそらくオッペンハイマーが製造していなくても、どこかの国が遅かれ早かれ開発製造していた事だろう。まさにドイツやソ連が持っていたら歴史は大きく変わっていたかもしれない。
そういう意味で何が正しいか間違いかを表現するような作品ではなかった事は称賛に値するし、アメリカの主張する戦争終結を早めた偉大な功績という建前をこの作品はオッペンハイマーの苦悩で疑問符を投げかけている。
この映画こそ日本人は観るべきだし、山崎監督も言っていたが、このアンサー映画を日本人が撮るべきだと思った。
上映時間3時間という事だったが、構成の巧みさと情報のコントロールが秀逸でまったく長さを感じなかった。
今度はIMAXで観たいと思った。映画館で観るべき映画です。
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