「何故公開が遅れたのか理解に苦しむ」オッペンハイマー ふぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
何故公開が遅れたのか理解に苦しむ
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この作品は原爆の物語では無く、原爆を作り出してしまった科学者の物語である。人類の未来を良くするために発明したものが悪用される事はよくある。近代ではAI技術の発展も目まぐるしいものがあるが、人類の作業効率を上げるものとして期待される一方で軍事利用などの懸念もある。
そうした場合にそれらの開発者は罪に問われるのか。
劇中で「原爆で恨まれるのは開発者では無く、落とした者だ」という台詞がある。
オッペンハイマーは原爆を抑止力として開発をしていたのでは無いのだろうか。
だが残念なことに「原爆」に関するものが全てセンシティブなものとして扱われている様に思う。
被害国として原爆のことを伝えていく為には原爆の事を理解しないといけないし、加害側の心境も理解しておくべきでは無いだろうか。
幸い、この映画での日本描写はそれほど悪く無い。
直接的な描写は無いにしろ、関連する台詞は多く、事後の当人達の苦悩も描かれている。
映画を観終わった時に原爆に対する興味を持ち、各々で調べて理解する事に意義がある。
表現の自由だのを謳っている国で扱っている内容次第で公開すらされない様な事態になる事が理解に苦しむ。
多くの人に知ってもらうという機会を自ら無くしている事にいい加減気づいて欲しい。
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Mさんのコメント
2024年4月8日
確かにかのレビューの表題の通りです。
もちろん、見れば賛否両論あるでしょうが、それを配給会社が「忖度」して、この作品が日本で公開されなかったら、本当に「表現の自由」がある国なのかと疑われても仕方ないですね。