「時系列に整理してみました」オッペンハイマー Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
時系列に整理してみました
日本でフルサイズのIMAXが見られる劇場は大阪万博記念公園と東京・池袋のグランドシネマサンシャインの2箇所だけである。
4月1日(月)
「オッペンハイマー」池袋グランドシネマサンシャインのIMAXで。
本作は、「原爆の父」J・ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)が
1942年から関わったマンハッタン計画、
1954年のオッペンハイマーの聴聞会、
1959年の仇敵ルイス・ストラウス(ロバート・ダウニー・Jr)の上院公聴会、
を主軸にオッペンハイマーの栄光と没落、そして彼の苦悩を描いた作品である。
クリストファー・ノーラン監督は、例によって時間軸をいじっているので、Wiki、ニューズウィーク日本版、エスクワイヤ等を参考に映画で描かれた事象等を時系列に整理してみた。
1922 ニールス・ボーア(ケネス・ブラナー)ノーベル賞受賞
1926 ハーバード大学卒業
イギリス ケンブリッジ大へ留学
ドイツ ゲッティンゲン大へ留学
1929 カリフォルニア大バークレー校に助教授として戻る
1936 ジーン・タトロック(フローレンス・ピュー)と出会う(30年代後半ジーン・タトロックと非公式に婚約)
1940 キテイ(エミリー・ブラント)と結婚(キテイは4度目の結婚)
1942.6 ルーズベルト大統領極秘にマンハッタン計画を開始、総括責任者にレズリー・グローブス准将(マット・デイモン)を任命。グローブスがオッペンハイマーを開発責任者に抜擢
1943 .3 ロスアラモス国立研究所設立
オッペンハイマー所長に就任
1943.6 ジーン・タトロックと再会。別れた後でジーンはうつ病となる
1944 ジーン・タトロック自殺
1945.5.3 ドイツ降伏
1945.4.12 ルーズベルト大統領急死
副大統領トルーマン(ゲイリー・オールドマン)大統領に就任 原爆投下を決断
1945.5.10 投下地広島に決定(候補地に小倉、新潟、京都等が上がる)
1945.7.16 トリニティ核実験成功
1945.7.24 ポツダム会談(チャーチル、トルーマン)
1945.7.24 長崎、予備目標地に決定
1945.8.6 広島に濃縮ウラン型原爆(リトルボーイ)投下
1945.8.9 B29小倉に向かうも上空視界不良のため予備地長崎に変更。長崎にプルトニウム型原爆(ファットマン)投下
1945.8.15 日本無条件降伏
戦後、プリンストン高等研究所の有力な理事ストラウスはオッペンハイマーに研究所長就任を懇願
その後、委員会等で恥をかかされた恨みで水爆推進派のストラウスは水爆反対派のオッペンハイマーに反発
1951 オッペンハイマー、原子力委員会総合諮問委員長任期満了
オッペンハイマー相談役に留まるもストラウスにより断たれる
1953 アイゼンハワー大統領によりオッペンハイマーは科学諮問委員会に復帰
1953〜58ストラウスは原子力委員会委員長を務める。大敵と思われていたオッペンハイマーが輝きを取り戻し、復帰したのを喜ばないストラウスはオッペンハイマーからセキュリティ・クリアランス(機密情報を扱う適格性)の剥奪を諮る。
冷戦中であり、共産党シンパはソ連のスパイと同等と思われ、ソ連に情報を流した疑いで聴聞を受ける
1954 オッペンハイマー聴聞会開催
(映画では聴聞会の公開記録がほぼそのまま再現されている)聴聞会後に剥奪され政府の仕事から追放される
1959 アイゼンハワー大統領がストラウスを商務長官に指名した件で上院公聴会開催
マンハッタン計画にも参加していた(嘆願書に署名した)デービッド・ヒル(ラミ・マレック)の証言により聴聞会がストラウスの個人的復讐である事が明かされる。
(これは原作の「アメリカン・プロメテウス」には無く、クリストファー・ノーランが公聴会の記録から掘り起こした)2ケ月に渡る公聴会で上院から指名は拒否され、以後ストラウスは公職に付く事はなかった。
1963.12 ジョンソン大統領の時に(アメリカの物理学賞)エンリコ・フェルミ賞受賞し名誉を回復する(前年の受賞者は水爆推進論者だったエドワード・テラー)受賞式でオッペンハイマーはテラーと握手するもキテイは拒否(当時は賞金5万ドル、現在は37.5万ドル)
1960.9 オッペンハイマー来日
東京、大阪のみで広島、長崎には行かず
1967.2.18 オッペンハイマー咽頭ガンで没 62歳
アメリカ人がこういった事実(歴史)をどこまで認識して映画を見ていたのかは判らないが(タイムやライフの表紙にもなった位だから認知はされていたはず)、少なくとも日本ではオッペンハイマーとその人の歴史は認識されていなかったのではないか。
本作中でもトルーマン大統領の台詞に「日本は誰が原爆を作ったかなんて気にしない。誰が落としたかだ。」と言うのがあった。私はイノラ・ゲイは知っていたが、オッペンハイマーは知らなかった。
オッペンハイマー、ストラウス、グローブス、テラーそしてアインシュタイン!みんな写真を見るとそっくりか極めて寄せているのがわかる。
本作は、原爆の災禍を描いた作品ではないので広島・長崎の原爆被災の状況は描かれない(私はそれも有りだとは思う)。
もし、全米が目を背けるほどの原爆の災禍や被爆者の姿が描かれていたら、果たしてこの作品はアカデミー賞を取ったか?
山崎貴監督が「この映画のアンサーは日本側が創らなけばならない」と言う記事を読んだ。(あれ、違う監督だったっけ?)
アメリカと日本では原爆に対する理解、意識が違う。インディー・ジョーンズは冷蔵庫の中で原爆から逃れる位なんだから。
共感コメントありがとうございます😊上の方々のコメントを拝読いたしますと、時間をかけて書いていただいた、とか。
ありがとうございました😊
慌てて読みかけて頭に入らない筈です。ま、落ち着いて読んでもなかなかな内容ですが。物理学賞なら文句無しですね。握手しなかったのは、水爆反対だったからですか。奥様は、主義主張をはっきりなさる方でしたね、
こんにちは♪
終了日に慌てて行くこととなりレビューを見させていただきましてが、レビューが複雑で頭に入りきらず、で鑑賞。
後で再度拝読させていただきましたら、なるほど、と。
人名もたくさんでややこしかったです。
共感&コメントありがとうございます。時系列で整理されていて理解が深まりました。個人的にはこの映画で時系列シャッフルはやめて欲しかったですが、描きたい所だけ切り取りたかったのでしょうね。
Mr.C.B.2さん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
時系列にまとめられていて、なるほどという感じでした。有難うございます。
満面の笑みの岸田総理。余りに忙し過ぎて恐らく映画を観る時間はないでしょうね。
もしも観られていたとしても、とても作品について触れられないような気もします。
アメリカにとって、日本に米軍基地が在る事の意義、小さくはないですよね。恐ろしい事ですが。
Mr.C.B.2さん、やっとアカウントを一つにまとめることができました。新アカウントで投稿したレビューを旧アカウントに移行し、映画.comさんが新アカウントを削除してくださいました
名無しのコメント(例えば🔺のような)は私からのですが、それは消えないようです
ご面倒おかけしました
Mr.C.B.2さん作成による時系列年表をゲッティンゲンの家族に添付で送ったところ、とても喜んでいました。字幕無しで英語で見たので半分位しかわからなく、もやっとしていたので嬉しい!との返事が来ました。改めてお礼申し上げます!
すみません、フォロー、ありがとうございます。そうなんです。フォローに関しても私自身は注意しなくてはいけません。一方で私のビフォア&アフターの両方にフォローしてくださってる方もいらっしゃいます。ただビフォアーの方に私が新たなレビューを書くことはできません。できることは、アフターのtalismanが他人の立場でコメントすることしかできません。ですから「オッペンハイマー」でtalismanのレビューにtalismanがコメントを書いているのは、それだけはできるからなんです。レビューの間違いを訂正したくてもできません。
なんだかややこしい状況ですが、捨てておいてくださいませ。Mr.C.B.2さんからのフォローを今のtalismanが有り難く頂戴いたしました
Mr.C.B.2さん、大丈夫です!確認しました。オッペンハイマーに共感ありがとうございます。私以外の方はお気になさらなくて大丈夫なんです。
今のtalismanが他の方のレビューに共感する場合、投稿年月日と今まで私は共感したかどうかいちいちチェックしてます。そうしないとtalismanによる共感がダブってしまいます。確かに面倒なんですが、昔のtalismanページを今のtalismanが退会する事はできないような気がします。また映画.comの方に伺ってみます
やっぱり時間かかりましたよね。そのくらい詳しい年表でした。
Flyの方はそこまで期待値上げるほどの内容では…w
ただ、アイアンクロウはきっとタイムスリップできますよ。ぜひこちらは鑑賞できますように。あと、ゴジラ対コングも童心に帰れます。こちらもぜひ!
IMAXの席についてのアドバイス、ありがとうございます。参考にさせて頂きます!
今年の1月10日前後に使い勝手が悪かったように思いログアウトしてからログインしました。そうしたら二つのtalismanができてしまいました。1/10以前に書いたレビューは全て残っていて同一名ですが今のtalismanのマイ・ページではもはやなく、レビュー編集はできなくなり、コメントだけ書けるような状態です。過去の分は退会すればきれいに消えるんでしょうか?でも今のマイ・ページも消えるのかなあ、と思うとちょっと残念で踏み込めません。オッペンハイマーはマイ・ページでなくて、オッペンハイマーからだとtalismanのレビューが存在してます。長々とすみません
共感ありがとうございます。
年表が大変参考になります、ありがとうございます。ノーラン作品のどの主張の部分にアンサーするのか? あまり軽々に発言してほしくない。山崎監督はどこに? まさか爆発表現?
年表
とても勉強になりました。ありがとうございます。
原爆開発、投下そしてその後。
政治家も科学者も権力争い、浮き沈み、綱引き。
聴聞会も公聴会も、誰も原爆投下の責任になんか眼中になくて
アメリカ人には興味がない。
結局はレッドパージに転換されるだけでした。
それが良く分かる映画でした。
ノーラン監督の「ダークナイト ライジング」のクライマックスの核爆発シーンもかなり軽い扱いだったと思います‼️
それと、「オッペンハイマー」のアンサー映画、「ゴジラー1」の監督には無理でしょう
確かに、山崎貴監督が発言してます。
ただし、自分は個人的に「この世界の片隅に」が、十分アンサーになっていると思ってます。
山崎貴監督の考えるアンサーってなんなのか、知りたい気はしますが…。