「壮大な天才科学者オッペンハイマーの人生を描いた傑作」オッペンハイマー ガジュマルさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大な天才科学者オッペンハイマーの人生を描いた傑作
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この映画は、天才科学者の内面に迫る体験ができます。
ノーラン監督は、オッペンハイマーの視点をカラーで描き出し、一方で彼と対立するアメリカ原子力委員会の委員長であるストローズの視点をモノクロで表現することで、視覚的にも興味深い対比を生み出しています。また、時系列的な情報を点として提示し、それを線としてストーリーに綴っていく手法は巧みです。さらに、キャストの感情を観客に伝えるためのアップショットが効果的に使用されています。
物語は、オッペンハイマーがナチス・ドイツに勝つために原爆開発に関与し、その後若手研究者、アメリカ政府やソ連のスパイ、共産党員に巻き込まれていく過程を描いています。彼の内面に迫る核実験や聴聞会のシーンは、彼の不安と孤独を見事に表現し、観客に深い衝撃を与えます。彼の影響力が大きい一方で、ストローズの陰謀も恐ろしいものです。
また、オッペンハイマーの妻が典型的な良妻賢母ではなくても彼の栄光や転落を支え続ける姿が印象的です。
アインシュタインとオッペンハイマーの対話シーンは、物語に深みを加えるうまい配置がされています。特に、科学者の視点から組織や時代に対する深い洞察力が示されています。
私と同じく予習なしで、先入観を捨てて鑑賞することをお勧めします。
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