劇場公開日 2024年3月29日

「もっと変人だと思ってた」オッペンハイマー mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0もっと変人だと思ってた

2024年4月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

オッペンハイマーがケンブリッジで上手くいかず、鬱々としているところから話しは始まる。と言っても、時代を行ったり来たりするいつものノーラン編集で、観る方は混乱させられる。ただ今作はそれぞれ時代もやってる事もはっきり違うのでそんなに時系列に混乱は無かった。

また、原爆実験成功の場面はやはり大迫力で、爆発や爆風の映像は凄まじいものであったのは勿論であったが、より印象的だったのは大喜びする施設の人々の笑顔を苦々しく睨み付ける自分がいた事に少し驚いたことである。
愛国心や日本人意識はそれ程高い方では無いと思っていたが、当時の敵国の兵器開発の現場の情景をまざまざと見せ付けられたような気がして、非常に胸くそ悪かった。本気でこいつらと後のシーンで出てくる大統領含めて全員ぶっ◯ろしてやりたいと感じた。
そのくらいのリアリティがあった。

主人公オッペンハイマーについては、彼の経歴や量子力学の歴史、女性遍歴など一通り知っていた事もありダイジェスト感が否めなかったが、感情をしっかり持った人間的な人物に描かれており、天才かもしれないがもっと非人間的な変人だと思っていた自分としては意外と普通な人だったのかもなと認識を新たにした作品になった。

mvlv