劇場公開日 2024年3月29日

「うーん、これはさすがに無理があるなぁ。」オッペンハイマー 高坂圭さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0うーん、これはさすがに無理があるなぁ。

2024年4月1日
PCから投稿

ノーラン監督の作品はこれまで
なぜか食指が動かず本作が初。
感想を一言でいえば、寅さんの名台詞
「てめぇさしずめインテリだな」

わかりにくさは予習を相当したので
クリア。
映画は、天才科学者の光と闇にスポットを当て
時代が変われば世間の評価がガラリと
変わること、核の虚しさ、無意味さ、
「一人を殺せば殺人だが、百万人を殺せば
英雄である」の怖ろしさを描こうと
しているのだと思う。

だからゆえ、なるべく社会や政治的背景を
省き、オッペンハイマーに寄せたのも
理解はできる。
後半は、サリエリとモーツァルトを彷彿と
させる対比も有りだろう。

けれどことは原子爆弾だ。
政治的駆け引きの中ですべて行われた大惨事、愚行を
天才の内省だけで追いかけるのは、やはり片落ち
だろう。


せめてパート1,2と分けてもっと歴史も含め
綿密に描いて欲しかったなぁ。

高坂圭