「鑑賞動機:観ないことには何も言えない8割、ノーラン2割」オッペンハイマー なおさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞動機:観ないことには何も言えない8割、ノーラン2割
IMAX鑑賞。
いろんな要素があって、中々考えがまとまらず、感想の羅列みたいにしか書けないのだけれど。
あのイメージは原子(電子/中性子)ということかな。アインシュタイン以外にもボーアとかハイゼンベルクとか名前のわかる人がいて、何とかついていけたのでよかった。ブラックホールや核融合、核分裂など、大雑把なイメージでもいいので知っていると、映画への没入度がかなり違ってきそう。オッペンハイマー本人についての知識はほぼなかったし、睡魔との戦いも覚悟していたけど、意外と大丈夫だった。
ラミ・マレックはおいしい役。なんか妬みって怖い。
モノクロとカラーの使い分けに加え、時系列上でほぼ固定の2つと彼の半生をなぞる部分があるから、6つのパートを行き来する描写になっているように思った。夢/幻想みたいなインサート映像も随所にあるし、これは鬼編集。
『TENET』に引き続きルドウィグ・ゴランソンが音楽で、前作のイメージは「ネトネト」からかなり変わって、こちらは何だろう…「ゴウンゴウン」だろうか。とにかく重力が二倍になったような圧力を感じた。
無音からの…アレの演出は、思考を追体験させられているように感じて身震いした。
ただそれでも、黒く炭化した遺体らしきものくらいしか描写がないのは、どうしても引っかかってしまう。
あとやはりIMAXで観るならセンター近辺の座席じゃないとダメかなと思った。画面もスクリーン下いっぱいまであるので、スタジアムタイプの劇場でも前に誰か座ると画面にかかってしまう可能性が高いのですよね。中々難しい。
物理学的な連鎖反応による世界滅亡はなかったけど、現状は別な意味での連鎖反応によって拡散は起こっているわけで。さらにまた別の連鎖反応を想起させる映像にも見えるので、暗鬱とした気分になる。