「ツッコミが足りないかな」身代わり忠臣蔵 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
ツッコミが足りないかな
ムロツヨシは好きなコメディー俳優。最近ではドラマ“うちの弁護士は手がかかる”で喜劇でなくても十分通用する力量を見せてくれて、益々好きになった。
そんなムロ主演ということで、楽しみしていた一本。
【物語】
舞台は徳川5代将軍綱吉の時代の江戸。
貧乏僧孝証(ムロツヨシ)は喰うに困り、実家の吉良家を頼る。最初は実兄である当主吉良上野介(ムロツヨシ2役)にも冷たくあしらわれる。 しかし、上野介が赤穂藩藩主・浅野内匠頭に斬りつけられる事件が起きて事情が変わる。 上野介が瀕死であるばかりでなく、逃げたと噂されていたため、逃げて死んだとなればお家取りつぶしなるという危機に陥っていた。
吉良家の重臣の斎藤(林遣都)は上野介にそっくりな孝証を身代わり当主に仕立てる。 一方、切腹に追い込まれた浅野内匠頭の家臣・大石内蔵助(永山瑛太)を初めとする赤穂藩士達が、主君の敵として上野介を討つ機会を窺っていた。
【感想】
楽しみにしていたにも関わらず、実は結構ウトウトしてしまった。
従って、細かいところで見逃した部分は確実にあることを最初に書いときます(笑)
ウトウトしてしまったのは、体調・コンディションのせいもあるが、やっぱり期待したほど引き込まれなかったことは否めない。
まず、タイトル・予告編・ムロ主演から期待したほどコメディー色が強くなかった。多少コメディー色はあるものの、ゲラゲラ笑わせてくれるはずという期待には届かなかった。
では、重厚な人間ドラマか? と言えばもちろんそんなことはない。
要はコメディーとしても人間ドラマとしても、どっちつかずの半端な印象が残った。
もう何十作作られたか分からない、知らない人が居ない“忠臣蔵”なので、どこか従来と違うところに光を当てて深堀りして作り込むか、皆が知っていることを逆手にとって、意表を突いたフィクションを詰め込むか、どちらかなんだと思う。
孝証という設定や、大石内蔵助と孝証の関係は意表を突いていて悪くないと思う。その設定を生かしてコメディーならコメディー、人間ドラマなら人間ドラマとしてもっと突っ込んで欲しかった。