「それがこの辺の警官だ」キリング・オブ・ケネス・チェンバレン Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
それがこの辺の警官だ
2011年11月19日ニューヨーク州ホワイト・プレーンズで実際に起きた、警察官が双極性障害の黒人の老人を自宅で射殺した事件の話。
実際の出来事を知らずに観賞。
早朝5時22分、就寝中に誤って医療用通報装置を作動させてしまったチェンバレン宅に、安否確認の要請を受けた警察官がやって来て巻き起こった約90分間の出来事を見せて行く。
ケネス・チェンバレン氏は既に亡くなっているし、どこまで忠実に再現されているかはわからないし、差別もさることながら、警察官が自分たちは偉いと勘違いしているのが非常に良く見て取れる。
日本では住民の生命や安全な暮らしを守るのが仕事たけど、この地域では犯罪者を捕まえるのが仕事なんですかね?
目的と手段が逆ですね。
まあそもそもケネス・チェンバレン氏は犯罪も犯してはいないけれど。
何をしに来たのかも忘れてしまった警察官達の変貌と結末はショッキングで、良くあることで終わらせてはいけない、知るべき事実で観るべき作品だった。
ただ…本編の後、実際の音声と思しきものが流れたけれど、ドアを開けなかった心情が本編よりよほど説得力があって、何でこれを変えて引っ張るような演出に変えてしまったんだろうと勿体なくも感じた。
そして最後の字幕、気になって調べたら一応裁判沙汰にはなっているし、アメリカで今作が公開された2019年には市は過失を認めてはいなかったけれど、今年8月に認めないながらも和解金を払い遺族との和解が成立されたとのことで、もしかしたらこの作品の影響が少なからずあったのかもと感じた。
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