「狂った”島”へようこそ、とあるが・・・」ニッツ・アイランド 非人間のレポート Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
狂った”島”へようこそ、とあるが・・・
アオリに「狂った”島”へようこそ」とあるものの、正直そこまで狂ってはいない。
前半に出てくるアイリス率いるコミュニティがゲーム内の殺しを積極的に楽しんでいるくらいで、他のメンバーはそこまで「狂っている」というほどではない。
テトリスくらいしかゲームをやらない自分のような人間からしたら、何故そこまでこのゲームに入れ込みたくなるのかは不思議だが、明確なゴールがないこと、ゲーム内の世界が広くスマホの時代にあえて知り合いに会うためだけに何時間も歩くなどのアナログ感が魅力なのだろうか。
ゲームにおいてのプレイヤーの役割が決められる点も興味深い。役割と行ってもひたすら畑を耕したり、略奪に走ったり、謎の宗教の教祖になったりと謎な役割だが、これも一種の現実逃避なのだろう。撮影隊のプレイ時間が長くなるにつれ、各プレイターの実際の職業や家族構成などが垣間見える野が興味深い。
まだ幼い子供が居る親もよくプレイヤーとして参加しているようだが、仕事に子育てを終えた後に深夜にログインして良く体力が持つ者だと感心する。
「殺しは私たちの日課」だと語るアイリスたちも、現実ではごく真面目に仕事の従事しているのかもしれない、想像に過ぎないが。
コロナ禍によって現実世界での接触が出来なくなった分、ゲーム内でパーティーをして盛り上がる様も、このゲームに限ったこではないだろう。虚構の世界と言えばそれまでだが確かにそこには交流があり、決して非現実ではない野が奇妙なところだ。
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