「美術」ナポレオン U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
美術
絵作りが…とてつもない。
戦もそうだけど、装飾品や美術とかロケーションとか。色味も好きだし、蝋燭だった当時の照明へのアプローチとか大好き。その時代へ放り込まれたようだった。
物語はナポレオンの足跡を辿るような感じで、その栄枯盛衰が描かれる。妻・ジョセフィーヌとの変遷とか。正直、ナポレオンには全く興味がなく、白馬に乗った絵画くらいしか思い出さない。だからこそ、ちゃんと知ろうとも考えて観にはきたものの…やっぱり寝てしまった。
歴史の授業を聞いてるような感じではないのだけれど、睡魔に完敗した。
なので、物語の感想はリベンジが叶った時に書こうと思う。
ナポレオンがちゃんと小さかったのにはビビった。覚束ない記憶を辿るに「身長が低い」って情報はあって、ちゃんとソレに即した身長になってた。
性格とかはよく分からないのだけれど、「英雄色を好む」の言葉が似合うような描写はあったけど、主には妻に向けられたモノだった。欲ではなく責務なのかしらね。時折世継ぎの話が出てくる。
そんな事を思うと仮面夫婦なんかなぁと思ってみたりするけど、晩年は惹かれあっていたようだった。
ホアキンはさすがであった。
史実の隙間を埋めるというのだろうか?
ナポレオンを生き返らせたようにも思う。
冒頭のしかめっ面からして雰囲気抜群だ。不遜な態度もそうだし、見事だった。
戦闘の描写も凄かったけど、何より息を呑んだのは引き絵の壮大さであった。
ロシアへの行軍とか、その復路とか。空っぽの街並みなんかはもう圧巻でもあった。
まぁ、とにかく近代史になるのかしら?人物はさておき戦史や風土とか風俗とか、百科事典並な精度で作られてるように思う。さすがは巨匠・リドリースコットなのだ。
おちゃめなナポレオンを観せつつも、風格を損なう事は一切なかった。
…だからこそ、寝たのかもしれんが。