「最強の男と最悪の女の組み合わせ」ナポレオン 未佐緒00さんの映画レビュー(感想・評価)
最強の男と最悪の女の組み合わせ
ナポレオンというコルシカの田舎者、家族愛が強い、睡眠時間が三時間というのが子供の頃に読んだ伝記で知ったけど、ハンサムではなく小太り、ずんぐりむっくりというのは年を取ってからのイメージなのかなと思ってしまったわ。
美人の奥さんを溺愛しているけど、結婚当初は報われないというのは彼女が年上で未亡人、恋愛に関して自由主義というか、奔放なところもあったから、そういうところではナポレオンとはちょっと相容れないところがあったのかなあと思ったわ。
戦うことに関しては最強の男、でも妻の前ではただの男というのが、映画ではひしひしと感じられたわ。
映画の出だしからアントワネットの処刑、微動だにしない表情がない表情は自分の運命を知っているみたいで、しかし、処刑台に上がる彼女の姿とは反対に熱狂する市民。
音楽が明るいというか、コメディ映画のようで、市民にとって、ギロチン処刑はあ鬱憤ばらしの祭りなんだなあと思ってしまったました。
ナポレオンは見た目、決して女性にモテるタイプで見えないけどジョゼフィーヌ、実在の彼女は陽気な未亡人と皆から人気があったみたいで、そういうところが彼の琴線に触れたのか。
戦いに行っても彼女から手紙が来ないことをすごく心配しているし、浮気されても離れないのは愛もだけど執着もあるのではないだろうか。
晩年というか、結婚後になって彼女もナポレオンのことを好きになったみたいだけど、そこは愛だけではないものも色々とあったと思うのだ。
彼女には子供もいたし、浪費家で贅沢が根っから身についているし、反対にナポレオンは若い愛人との間に子供を持っても本妻を捨てきれない。
それは愛ですとは簡単には言い切れないものが腹の中に渦巻いていたのではと思うのだ。
一人の男の人生が、この映画では描かれているけど、終わってみるとあっさりというか、軍神と呼ばれた男の人生が幸福だったのか、そうでなかったのかわからない。
戦いばかりで虚しくなかっただうろか。
家族愛が強いみたいでマザコンかなと思うようなところもあったり、そのせいで妻と自分の親戚の関係は良くなかったみたいだし。
栄誉と金はあった、戦うことに関しての才能もあった。
映画が終わった後、ナポレオンという男の姿が自分の中には残らなかったのが、不思議だった。
内容も戦って勝利して、でも最後には負けて何が残ったのか。
フランスも軍隊も妻も皆、彼を残してすり抜けていく。
市民、軍人の喝采も拍手も、過去のもの。
コルシカの若者が成り上がっていくというシーンから観ていれば、違った感情も抱いたかもしれないけど、出だしから相応の歳の男が勝っていく姿を見たので、人生はそんなにうまくいくのか。
疑問を抱くというより、感じてしまったわ。