劇場公開日 2023年11月25日

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「戦争で家族を失った女と戦災孤児が出会い一緒に生活を始める…という話なのだが」ほかげ ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5戦争で家族を失った女と戦災孤児が出会い一緒に生活を始める…という話なのだが

2024年2月17日
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鑑賞方法:映画館

怖い

戦後間もない日本。疲弊した人々、瓦礫の中の闇市、そんな中で半分崩れかかった小屋のような家で居酒屋を営み、時には身体を売りながら生きる戦争未亡人と盗みをしながら生きる戦災孤児、この二人が出合い、生活を共にし始める。そんな二人が肩を寄せ合い生きていく心暖まる話なのかと思って観ていたのだが…。
この二人に絡む男たち、元教師の若い男、そして謎の男アキモト、戦争を何とか生き延び日本に帰ってきたものの心的外傷に苦しむ男たちの話でもある。
戦争によるPTSD。これをテーマにした名画は多い。「ディア・ハンター」「タクシードライバー」「アメリカン・スナイパー」などなど。アキモトの下りでは「ゆきゆきて、神軍」(これは凄まじいドキュメンタリー映画で僕は途中から震えが止まらなかった)を思い出していた。「ゴジラ-1.0」もそこにテーマがあったと僕は思っている。

ゆみあり