「碌でもなさ…」ほかげ ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
碌でもなさ…
塚本晋也監督が「野火」の続きのような終戦の夏を描く。
そりゃ観るよね。
大きく前半の趣里パートと後半の森山未來パートに別れており、戦災孤児の少年が狂言回しとなる。
全編を通して終戦直後の酷薄な世情をキチンと描こうとしている意図は感じるものの、後半は戦争犯罪とその落とし前の描き方が理に落ちすぎてて若干の上滑り感がある。
それに比べて趣里パートは善意ごかしの搾取や誠意めかした寄生など当時あったんだろうな、という碌でもなさのリアリティが良い。
笑わない趣里と彼女が笑った瞬間の多幸感、そしてラストの銃声。そういう映画だと思う…
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