サウンド・オブ・フリーダムのレビュー・感想・評価
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大人の欲望に搾取される子供たち
この作品は外野がとてもうるさく、それが雑音になってしまっているのがとても残念。
正直実話と謳っていても、全てを鵜呑みにするわけではないし、エンタメに変換する際に事実とは異なることも描いているとは思う。
今回の作品に関しては、人身売買が実際に行われていることは事実で、今この瞬間も罪のない子供たちが大人の欲望に搾取されている。それは紛れもない事実だ。
なのでQアノン信者作品だの、実在のティムが起訴されてるだのよりも、作品のテーマについて考えたい。
この非道が行われている事実をより多くの人に知ってもらい、それを阻止するための法案や厳罰化や国際協力がもっと活発になれば良いなと思った。
映画としての評価は…
胸糞悪い展開が続くけれど、直接的な描写はなく、THEアメリカといった感じのヒーロー物語になっていて見やすい作品でした。ひとり単身で敵のアジトに乗り込む展開は、24のジャックバウアーを彷彿とさせ、さすがにあの展開はフィクションだとは思うけれど、ハラハラした。
鑑賞後はやるせ無い気持ちにもなるけれど、世界中の子供達が、幸せに過ごせる世界になりますようにと祈らずにはいられなかった。
カヴィーゼルの静なる熱量が魅せる
思いがけない骨太な作品だ。愛する我が子を人身売買組織によって忽然と奪われる父親の姿がショッキングな冒頭シークエンスを抜けると、舞台は一転してアメリカへ。政府捜査官として人身売買犯罪を追うジム・カヴィーゼルに主軸が定まった後は、一本の線を手繰り寄せていくかのような執念と根気を要する追跡劇が始動。ストイックな描写、時に挟み込まれる静謐なカメラワークも相まって、我々はこの事実をベースにした物語の語り口に自ずと引き込まれていく。幼い姉弟を演じた子役らの演技も素晴らしいが、やはりカヴィーゼルの静なる熱量こそが本作の原動力と言っていい。彼の頬を伝うひとすじの涙。そこには一人の父親として、捜査官として、人間としてのやるせない思いや葛藤が象徴されている。その思いは人から人へ伝播していく。単なるサスペンスとしてのみならず、本作自体がある種の使命感に突き動かされて製作されたことが伝わってくる誠実さも胸を打つ。
神の子?
監督と脚本は『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』のアレハンドロ・モンテベルデ
脚本は他にロッド・バール
実話がベースになっている
ティムがボスを退治したのは創作だろう
ペドフィリア相手に児童人身売買を請け負うコロンビアの犯罪組織と戦う捜査官ティム
主なロケ地
カリフォルニア州カレクシコ(メキシコとアメリカの国境付近)
コロンビアのカタルヘナ
子役オーディションを名目に他のホンジュラスの子どもたちと共にコロンビアの犯罪組織に誘拐されたアギラル姉弟
弟のミゲルは幸運にも偶然救出できたが姉のロシオは誘拐されたまま
ミゲルの強い願いもあってティムはロシオ救出を目指す
BGMで雰囲気をもたせている
ティムとボスとの格闘
ちょくちょく画面が黒くなる演出
ロシオがたびたび目を瞑るから
監督は真面目な人なんだろう
映画は真面目だ
奴隷をテーマにエンタメに振り切れることはできないアメリカの歴史がある
神の子供は売り物じゃなんかじゃない
贖罪である
配役
アメリカの元政府職員のティモシオことティム・バラードにジム・カヴィーゼル
エル・カルテルの元会計士でティムの協力者のパンピロにビル・キャン
ホンジュラスのテグシガルパ出身の貧しい二児の父親のロベルト・アギラルにホセ・ズニーガ
ロベルトの娘のロシオ・アギラルにクリスタル・アパリチ
ロベルトの息子でテディ・ベアと名付けられた少年のミゲル・アギラルにルーカス・アビラ
ティムの上司のジョン・ブライアントにカート・フラー
似顔絵を配布するHSIの女性職員のターニャにヴァレリー・ドミンゲス
ティムの相棒捜査官のクリスにスコット・ヘイズ
コロンビア警察の警部のホルヘにハビエル・ゴディーノ
捜査に協力する地元の富裕層で不動産開発会社のCEOのパブロ・デルガドにエドゥアルド・ベラステーギ
小児性愛の容疑者のアーンスト・オシンスキーにクリストファー・アヴェディシアン
ジゼルと呼ばれる児童売買加担者でミスコンのミス・カタルヘナに選ばれたカティ・ファレスにイェシカ・ペリーマン
ナイトクラブの経営者で元エスコバルの護衛のエル・カラカスにグスターボ・サンチェス・パラ
ジゼルの知り合いの弁護士のカルネにマウリシオ・クジャラ
カルネの護衛のドーベルマンにヘクター・ルクミ
ジゼルの仲間で児童売買仲介者のドン・フエゴにマニー・ペレス
ジゼルの中間のアドルフォにカルロス・ギテレス
少年を買うマダムの夫のアール・バックマンにゲイリー・バサラバ
少年にテディベアと名付けるメキシコのマダムにアリナ・ロザーノ
FARCのリーダーのサソリことエル・アラクランにヘラルド・タラセナFARCのリーダー
アルクランの手下のチェチョにアリエル・シエラ
アルクランの手下で川の監視人のバンバンにジェイミー・ニューボール
アルクランの手下のピラーナにハイロ・オルドネス
アルクランの手下のグスタボ・アンガリータ・ジュニア
アルクランの手下のジェームズ・クアットロチ
誘拐された男の子のシンバにサムエル・リビングストン
誘拐された少女にアラニス・エスコバル
誘拐された少女にアリソン・ソト
誘拐された少女にカレン・カルドナ
誘拐された少女にシャロン・ペレス
ティムの妻のキャサリンにミラ・ソルビノ
ティムの娘のミランダにエステラ・モンテベルデ
ティムの娘のフロールにマリア・フェルナンダ・マリン
ティムの息子のカレンにジェロニモ・バロン
ティムの息子で次男にイーサン・ロエステ
伝道団のメンバーにジョセフ・フゼシー
伝道団の看護師にアリ・ランディー・モンテベルデ
伝道団の医師にカミーロ・コルメナレス
HSIの大使館のエージェントにマット・オズボーン
HSIの特別捜査官にターリー・ジョージズ
CTIのエージェントにアレハンドロ・ムエラ
カラカスのクラブの用心棒にエドアルド・ゴメス・モンテベルデ
ドッキドキ。偉いアメリカ人もいるもんや
これが実話に基づくと最後にも表示された時の鳥肌たるや。
人類史上、直近が最も人身売買がなされている。最大の消費地の1つはアメリカ、と聞く時の胸の悪さと、実際に危険を犯して子供らを救いに行く男性もアメリカ人であると理解した時の複雑な心境が趣深い。
ドキドキし過ぎて画面から目を離したくなる。けど離せない。素晴らしい映画でした。
社会の闇を描きながらしっかりエンタメ
『クーリエ:最高機密の運び屋』という旧ソ連軍の高官とCIA及びMI:6からの依頼を受けてスパイ活動に身を投じた営業マンとの交流を描いた事実ベースの作品を見たばかり・・・。
その映画に触れて「人間は合理的に動くことの無い利他的な生き物」という普遍的な哲学を改めて学んだけど、この作品もそういう意味で同じテーマに沿っているといえる。
予定調和に惑わされず、損得勘定無く崇高な意思をもって仕事に向き合える人は本当に凄いと思う。
映画鑑賞中に辛過ぎて涙を流したのは初めての体験です😢
大人の歪んだ欲に理不尽にも翻弄される貧困に喘ぐ子供たち・・・。
昨年見た『人間の境界』や『ビヨンド・ユートピア 脱北』もかなり重かったけど、この作品はちゃんとエンタメになっていて、アクション映画ファンにも響くはず。
この作品がもっと世の中に広まってほしい。
子供達の声を救う
現在進行形?
何にも出来ない(しない)自分に落胆しつつも。
世界には膨大な暗部がありますが、子供が搾取される、しかも性的な搾取も含められている。正直、歯を食いしばりながら観なければならないシーンもありました。辛い。こんな事が現実に起きているというショックで暫く呆然としてしまいました。しかし、だから自分が何か行動を起こすかと言えば特に何もせず、またいつもの日常。言い訳の様ですが、何かしようにも、余程の立場とエネルギーが無ければ何もできない様な気もしますが。地獄の様な場所にいる人々がいる一方、今日も私の周りはこんなにも平和で豊か。本当に有難い。人は何処までも不平等ですね。所詮高みの見物な自分にはこの程度の想いまでしか到達しません。とは言え、コレは映画。めちゃくちゃヘビーな内容なのに最後まで観れたのは映画として面白かったから。あの子達を助けたい。どう助けるか?誰がどう心変わりし、行動するのか。本物のヒーロー映画。涙が出るほどかっこ良かった。◯ベンジャーズよりも良い!笑 本物のヒーローでした。感動しました。私は無力で無知でヒーローとは真逆の様な人間ですが、真のヒーロー達を心から応援したい。頑張れ。そして、助けられる立場の人、立ち上がれる人、頑張れ。お願いします。この世界に自由の音を少しでも。
求道者のように職務に専念する主人公はやっぱりジム・カヴィーゼルが演じると説得力あるなぁ、と妙に納得してしまう一作
国際的な人身売買組織に立ち向かった実在する元連邦捜査官、ティム・バラードの体験に基づいた物語。冒頭の胸が締め付けられるような児童誘拐場面から始まって、終始「何とかこの子たちを助けて…」と祈らずにはいられない展開が続きます。
もちろん創作も含んだ物語ですが、バラードの扱った事件を下敷きにしているので、当然誘拐された子供たちが知略を発揮して犯罪集団を出し抜いて窮地を脱出、などと都合の良い展開が起こるはずもなく、全てはジム・カヴィーゼル扮する捜査官、バラードらのチームに託されます。
このバラードが身の安全も家族も顧みず救出作戦を遂行していく様は頼もしくもあるんだけどどこか超然としたところもあって、彼の意図を汲み取れない同僚たちからも困惑の表情を向けられる始末。『シン・レッド・ライン』(1998)や『パッション』(2004)で文字通りの殉教者を演じたカヴィーゼルだからこそ説得力がある人物像でした。
犯罪集団の面々の頭に色々隙がありすぎて、捜査機関と犯罪集団の対決という面では少し物足りなさを感じなくもないけど、しかしそれで誘拐された子供たちの安全が確保されるわけでもないので、どのような展開に至るのか、最後まで緊張感をもって鑑賞することになります。時折流れる子供たちの歌と踊りの美しさと自由であることのかけがえのはなさは表題になるだけあって強烈な印象として伝わってきます。
なお本作は、主人公のモデルとなったバラードと主演のカヴィーゼルがそろって陰謀論を擁護する言動をしていたとして、妙な形で話題を提供してしまいました。最近になって米国政府が国際的人身売買組織を摘発したという、この作品をなぞるような事件が報道されましたが、それによって本作に再び注目が集まるかどうか。
自由の音を取り戻す、その日まで。
甘い言葉で囁き、年端も行かない純粋な子供たちを言葉巧みに操り、その人生全てを奪い去ってしまう児童人身売買。
アイデンティティである名前すらも奪うという鬼畜の所業だ。
児童誘拐、人身売買、性的虐待、国際的性犯罪。
それらの闇に挑んだ捜査官の実話を元に描く、犯罪組織vs連邦捜査官の手に汗握る壮絶な社会派サスペンスである。
この主人公自身は大家族だというのもストーリーの、ささやかながら、大きなファクターとなっている。
今こうしている瞬間にも、子どもたちが苦しみ、売られているという現実をまざまざと突きつけられるのは本当に衝撃的だった。
なお、1400万ドルという低予算映画にも関わらず、なんと興行収入2億5千万ドルという莫大な数字を叩き出した話題作でもある。
例によってと言うかなんというか、日本ではさっぱり話題にならなかったのは、同じ日本人としてただただ恥ずかしい限りである。
人間の強欲の恐ろしさ
予想に反してかなりヒットしたみたいです
見ているのがあまりに辛い
映画自体はドキュメンタリー寄りの作品なのかなと思って観に行きましたが、思いの外サスペンス映画として普通にエンタメしていました。テーマがテーマだけに決して軽い映画ではありませんが、何の予備知識なしに観ても普通にハラハラドキドキ出来る内容だと思います。
最大の特徴はエンドクジットの途中で主演のジム・カヴィーゼルが、涙ながらにこの現実に立ち向かわなければならないということを観客に直接訴えかけて来ます。
これは映画製作後、公開が決まるまでにきっと色んな紆余曲折があって、その果てに公開が決まってからつけられたメッセージだと思われます。
神の子は売り物じゃない
素晴らしい作品でした
数日、夢に無数の蝶や、バタフライて言葉が目についた、映画の冒頭にバタフライと言葉が出てきて、この作品を観ることに深い意味があることを感じた。
児童誘拐、人身売買、性的虐待といった国際的性犯罪の闇がここまで規模が大きく、被害者が100万人超いるという事実を映画を観て知ることとなった。
今、まさに世界が闇から光に変わる時代に入る事は理解していたが、この闇がここまで深く黒いとは。
私の理解はまだまだ浅かったと痛感。
映画としても、洗練されていてパーフェト。
実話を元に描き実際に政府職員を退任してまで、過酷な命懸けのミッションに挑んだ、ティム・バラード氏のリアルヒーローの生き様に、魂を揺さぶられた。マーベルヒーローでも、ジェイソンボーンでもない。実在する真の漢の姿だ。
やっている事は、逆・地面師だった。
今を生きる現代人の多くは、臆病者の人生を生きている。
嫌われることもお金が減るのも怖い、傷つきたくない、更に死も恐れている。
だから命懸けなんて勇気も、覚悟も持てずに、小さい事から大きい事まで怖がって生きている。
ティム氏は、我が子を救うためでもない、神の子を救うという使命を持って命も投げ打って挑む。そこにエゴもなく、賞賛や見返りへの期待などもない、無性の愛でしかない。
自分が損する事も気にしてない。
武器すらも持たなかった。
どんな状況でも冷静で、直感に優れていて賢い、そして精神的にも肉体的にも強さを持っている。成熟している。
もはや作り話のヒーローものがこれから観れなくなりそうであります。
ティム氏の愛の世直しのミッションの過酷さに脱帽したのだが、最近アメリカの音楽業界の闇、日本の芸能界の闇(ジャニーズ)など、やっと詳らかになった。
子供達が売り物とされて汚いお金と性が社会の裏側で横行してきたわけで、
メディアや警察までもがその事実を隠してきたが、おべんちゃらが通用しなくなり始めた。
こんなにも、闇が大きくて黒くて深いとは。
想像を遥かに超えた闇の深刻さ。
この根深い闇を光に変える時だと感じる。
この映画を観た多くの人は、今現在ある問題悩みもなんだか馬鹿らしくもなるだろう。
小さな問題にこだわって、感情に飲まれてる場合ではない、魂揺さぶって目覚めなくてはいけない時だと改めて感じた。
臆病者は進化できないと常々感じるが、命をかけて挑む。本物の勇者、賢者が今エンタメの世界だけでなく、この世に必要なんだと思います。
勇気と覚悟の時代が来たことを映画からも感じます。闇の世界に切り込んだ、リアルに使命を全うしている人がいる。そこに心を打たれた。
「闇」は、音で門は開く。と書く。
サウンドオブフリーダムのサウンドと、漢字をかけた訳ではないと思うけれど、この根深く想像していた以上に真っ黒い闇の世界は、音で開かれ、真の世界のフリーダムの世界になるという宇宙からのメッセージが込められているように感じる。
愛する我が子のためでもない、知り合いの誰かだけに注ぐ薄っぺらい愛じゃない。世界の闇の中で苦しんでいる子供達全員に向けての、命懸けの、純度の高い真の愛でした。
作り話でないリアルな影響力が、広がっていきますように。
アメリカ中心に回る世界の闇を暴く
ルミエール盛岡2で「サウンド・オブ・フリーダム」を見た。及川幸久さんや越境3.0の石田和靖さんのお薦め映画で、中南米から米国に人身売買が行われているという実話ベースの映画。ストーリー仕立てになっていて、ホンジュラスの姉弟がオーディションに参加したところ、連れ去られ、売られてしまったのを、主人公のティム・バラードが業者を逮捕しながら、危険を省みずに助け出すというもの。アメリカが主な顧客で、年間に数百万人もの性奴隷が新しく生まれていて、その大半が子どもだとか。
その事実を元に、何が行われているかを想像するとおぞましい。アメリカの富裕層が高い金を払って買うという需要があるから、貧しい中南米で悪者たちが暗躍する。まるでヒエラルキーのように国の階層が構築されていて、人間を買って変態的な嗜好を満足させようとする豊かな国、貧しく政情が不安定であるが故に、豊かさを求めて悪い奴が暗躍する途上国。犯罪が国境を越えて行われるので、捜査機関は摘発が困難となる。まるで、誰かがそのようなシステムをデザインしているかのようにさえ見えてしまう。
最近思うのだが、個人の人権、自由・嗜好が可能な限り認められると、実は崇高な理想が捨てられて、道徳の退廃、価値観の崩壊が起こり、貧富の格差と相俟って、金を得るために(或いは生きていくため)良心の痛みを感じずに、簡単に超えてはならな一線を越えてしまう人間が増える気がする。最近、日本でも、闇バイト、安易な強盗殺人などが多いのは、こういう風潮が関係しているのでは?
人間は、人と人との関係性、小さな社会で機能しているルール、マナー、倫理や道徳的な習慣、合意に基づいて生きている。しかし、人間関係が希薄になり、流動性が高まり、目の前の人がどこで何をしているかわからなくなれば、ばれなきゃいいと歯止めが利かなくなる。グローバル化が進み、海外からの移民やら犯罪者が入り易くなり、お互いに干渉しない社会になってしまうと、一体どうなってしまうのだろうか。LGBTQのような掛け声の下、人権尊重がクローズアップされすぎると、偏向していく人、悪に手を染める人を更に助長するだけで、この先大丈夫なのかと心配してい
見るべき映画
自由の音
やはり、ひねくれた見方かなぁ
今も世界で百万人単位の被害者を生み、市場規模1500億ドル(22兆円?!)にもなる人身売買組織、特に子供を拉致し性的な奴隷として売り飛ばすクソの様な一味から子供を救い出そうとする事実に基づくお話です。作品のはじめに恐らく実写と思える子供の拉致映像が次々と映されます。街角の子供を有無を言わせず突然かっさらって行くのです。僕も子供の頃には、
「知らんオッチャンについて行ったらあかんで」
と言われましたが、ついて行くも何もない強引さで、ここで取り上げられるのは更に巧妙な手段です。芸能プロダクションを装って「ステージ・デビューしませんか」と多くの子供を集め、親の目をかいくぐって一挙に拉致するのです。小さな子供がこんな理不尽な目に遭うのは本当に耐えられません。
本作では、米国土安全保障省の捜査官が、人身売買ビジネスの巣窟と目されるコロンビアに潜入し、自身の身を危険に晒しても一人の少女を探す姿が描かれます。それは、ヒリヒリする物語なのですが、ひねくれ者の僕はまたまたどうしても気になる点が引っ掛かりました。
たとえば、自分の娘を拉致された男が危険を顧みずに敵地に乗り込んであらゆる手段で戦うというのならばヒーロー物語として理解できます。しかし、多くの拉致被害者の子供らが登場する本作で、公の立場にあるこの捜査官は当該の少女を救う事を明らかに重んじている様に映るのです。いや、子供らを一人でも多く救う事が大切だし、少女を見つけて一安心でもないのではないかなぁ。これもやはりひねくれ過ぎた見方でしょうか。
重く、緊張感あふれる映画
全162件中、1~20件目を表示