「あなたはロリコンですか?本当にあった教師へのアンケート」サウンド・オブ・フリーダム オプンチアさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたはロリコンですか?本当にあった教師へのアンケート
80年代、小学校教育の現状を探るとして特徴的なアンケートがあった。男性教師に対し、表題の“あなたはロリコンですか?”というもの。日常生活など多岐にわたる内容の一部だが、なんと80%強がYES。個人の特定を恐れてNOとした者を差し引いても8割はヤバい数字。コメントでは、はじめからそのつもりで教師になったとか閉めきった教室内の匂いがたまらんとか部活の顧問で着替えが覗ける…………
映画は、小児性愛者を摘発する過程で、一人の捜査官がある被害者少女に感情移入し周囲の制止を振り切って、反政府軍陣地に単身乗り込み、そこに売られた彼女を救出するというありがちなストーリー。ただ人身売買の実話を描いているため発表まで相当な障害があったことがエンドロールで語られる。膨大な数の誘拐事件が存在することを世界にひろめ、おぞましい小児性愛者を社会から排斥しようと訴えることを単なる一過性の啓発活動に過ぎないと揶揄するつもりは毛頭ないが、麻薬売買のように客がいるから無くならないというロジックを軽視してはいまいか。
厄介なのは社会的地位など有用性を備えたロリコンで、市井に潜在する小者とは違う奴。元祖ナボコフ、ルイス・キャロル。愛されこそすれ嫌われることなどない。
小児性愛が我々人間の遺伝子に起因したもので、その成長環境で醸成されてしまうのなら、このさきも児童ポルノサイトや性犯罪を抑えていくことは出来ない、永久に。
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