「えっもう終わり?嘘でしょ!?ヤダヤダ」Chime 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
えっもう終わり?嘘でしょ!?ヤダヤダ
2024年映画館鑑賞93作品目
10月13日(日)イオンシネマ新利府
特別料金1500円
監督と脚本は『スウィートホーム』『地獄の警備員』『蛇の道(1998)』『ドッペルゲンガー(2003)』『贖罪』
『散歩する侵略者』『スパイの妻 劇場版』
『旅のおわり世界のはじまり』『蛇の道(2024)』『Cloud クラウド』の黒沢清
粗筋
「チャイムのような音で誰かがメッセージを送ってきている」
料理学校講師の松岡卓司は協調性がなく指導にも従わず意味不明な発言ばかりしている田代一郎という生徒にも冷静に対応していた
「自分の脳の半分は機械に入れ替えられていてる」
そんなある日カスレ作りのレッスン中に田代は自分の発言を証明するため持っている包丁を自らの首に刺して命を断った
その後のある日に料理教室で生徒の菱田明美とマンツーマンで丸鶏解体の指導をしていた卓司は彼女をいきなり刺し殺してしまう
死体は寝袋に入れて車で運び山中に埋めた
フランス料理のシェフに転身したかった卓司だったがフランス料理店の面接に落ちた
45分の中篇サスペンス
短篇は30分までらしい
主演吉岡睦雄
チョイ役でも印象に強く残る名脇役だが今作が初主演ではない
過去数作主演作品がある
ピンク映画『おんなたち 淫画(ゆーのーみー)』が初主演
そのほかにも『放送禁止 劇場版「密着68日 復讐執行人』『それでも暗い夜』
それでも2010年『ピラニア』以来久々
ラストは松岡卓司が家の中で寛ぎ突然玄関から外に出て周辺を見渡しまたすぐに戻るわけだがやけに不穏なBGMが大音量で流れる
しかしどんなに誤魔化しても尻切れ蜻蛉という事実は変わらない
一つ一つは悪くないがラストが良くない
「えっ終わり?」
10分くらいのポルノ動画でこれからって時に終わってしまうものがわりとあるがあれは所詮サンプルだから割り切れるがこれはそうではない
妻と息子を殺して自殺する展開を期待していたがそれはなかった
歯痒い
面接で自分をアピールする姿が滑稽だった
シリアスでもあの独特の甲高い声に笑ってしまう
空き缶を処分する一連のシーンがなぜだか吹き出した
笑いのツボは人それぞれ
ぜんじろうや村本大輔や粗品で笑ったことは全くないしこれからも100%あり得ないがあのシーンは傑作だった
配役
料理教室講師の松岡卓司に吉岡睦雄
料理教室の生徒で取り憑かれたような異常な言動をした挙句に自殺する田代一郎に小日向星一
丸鶏の解体を拒否し卓司に殺される料理学校の生徒の菱田明美に天野はな
卓司を面接するフランス料理店関係者の佐久間に安井順平
卓司を面接するフランス料理店関係者の吉沢に関幸治
料理学校の事務員の立花宏子にぎぃ子
料理学校の事務員の宮下文江に川添野愛
まだ中学生なのに父親に多額の投資話を持ち込む卓司の息子の松岡健一に石毛宏樹
空き缶を廃棄する作業がやけに騒がしい卓司の妻の松岡春子に田畑智子
料理学校絡みで捜査する刑事の大槻誠の渡辺いっけい