「なんという駄作」映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー) ほしやどさんの映画レビュー(感想・評価)
なんという駄作
今まで私が見たドラえもん作品の中で最悪の出来でした。大きく2つポイントを挙げるとするなら
①粗というか、色々と突っ込み所が(音楽室のシーンや音楽家達に酷似しているロボット、ミッカとの演奏での「の」の音、最後のお風呂の所)が多すぎる。
全部書くと長くなるのでここでは書きませんが、雑な演出や不要な設定が多すぎます。1つ上げるならあのロボット達。有名な音楽家にする必要、あります?特に滝廉太郎似のロボットが泣いているシーン。偉人をバカにしている気がしてなりません。
② ストーリーが単純に面白くない。
今回は明確な敵がいない、それがつまらない原因という事を良く聞きますが、個人的には別に居なくても良いんですよ。ストーリーが面白ければ。ですが、ストーリーがつまらない。本当につまらない。のび太達が音楽を演奏して終わる。ほぼほぼそれだけです。勿論、最終決戦に至るまでののび太達の成長の描写や音楽の素晴らしさを制作陣は伝えたかったのかもしれませんが、説教臭い。確かに子供が見る映画ですから中身スカスカよりはある程度のメッセージ性があった方が良いでしょう。ですが子供たちをはじめとするファンが求めているのはのび太やドラえもん達が様々な場所を冒険するワクワク感です。それを損なってしまってはドラえもん映画失格なんですよ。オーケストラ好きの方には刺さるのかもしれませんが。「音楽」というテーマや敵の存在など色々奇を衒ったつもりなのかもしれないですが、完全に裏目に出てますね。もう制作側もネタ切れなのかもしれません。そもそも、そんなに音楽の素晴らしさを伝えたいなら映画館で上映するのではなくて学校の音楽の教材にでもしたらいいんじゃないんですかね。空の理想郷の時もかなり説教臭さはありましたが、素晴らしいストーリー(様々な時代を冒険、22世紀の要素が多い理想郷、雲の王国はあるものの以外と少ない空というテーマ等々)だったので、良作だと思いましたが、今回はストーリーが終わっていたので駄作としました。
評価できる所といえば作画ですかね。やはり過去作と比べてかなり良くなってます。あと、流石に音楽メインなので、音楽もかなり力が入ってますね。まあ、ドラえもん映画でオーケストラをやる意味は微塵も無いと思いますが。
来年はリメイクっぽいですが、再来年の新作が今回と同じ出来だとドラえもん映画はもう駄目かもしれないですね。ネームバリューだけで面白さの欠片もないの粗や雑演出だらけのただの教育映画と化すでしょう。制作陣はドラえもん映画の意義をもう一度見直してから制作した方が良いと思いますね。