シアター・キャンプのレビュー・感想・評価
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天手古舞いしていた大人の裏舞台と、子どもたちの素直な演技
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80年代に初めて参加した子ども劇場のキャンプで、「ドラマキャンプ」と銘打って、風景のなかで役に成り切って楽しもうというものだったけれど、キャンプふぁいやーでの仮面舞踏会以外はちぐはぐで、ドラマチックなキャンプだった、という総括でしかなかった。90年代に知的障がい者のサークルの一泊旅行にサポーターとして参加し、青年たちが話し合ってグループで劇を演じて楽しんでいたことが思い出された。
本作でのキャンプは、演劇を本格的にやりたい子どもたちを募集し、オーディションにかけて役を当て、レッスンをして最終発表し、保護者に観てもらい、役者へと昇るステップにもなっているようである。ドキュメンタリーのようなメイキング映像のような展開で、移民でやってきたというキャンプ経営者の息子が開会挨拶をしようとして相手にされず、経験のある男女の演出者が出ると受け、女性が途中から当番の余興をすっぽかし、終盤のリハーサルまでにフィナーレの曲づくりも怠って、険悪な関係になっていた。子どもたちのなかにも、本番前に他の舞台出演が決まって、親が連れ出して穴を開けそうになった。経営難が発覚し、劇場も差し押さえの手が伸びていた。そんな危機的な情況を抱えながら本番を迎え、オンライン映像で入院中の経営者の姿が映し出され、舞台では子どもたちの活き活きとした演技が展開され、心配されたフィナーレも成功し、最後にもう一度入院中の経営者が映し出されたかと思ったら、別人だったという落ちがついた。大人の裏舞台が天手古舞いしていたが、子どもたちが素直に演技し、結構楽しめた。
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