「Nonstop camera!」戦慄怪奇ワールド コワすぎ! ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Nonstop camera!
モキュメンタリーな作風のコワすぎシリーズ、もとい白石監督のスタイル全開の今作、形式的には最終章らしいんですが、基本的にはいつものカオスは撒き散らした感じになっていました。
廃墟に行ったら赤い女が猛ダッシュで追いかけてきて、その動画をTikTokに上げたら垢BANされたので、工藤Pと市川Dの元へ動画を送り、それを見て映画にして倒産の危機を脱しようぜ!なノリで映画撮影にいつものクルーで向かう感じで進んでいきます。
コロナがある程度静まった日本が舞台で、多様性やZ世代の文化を程よく混ぜつつ、いつものペースでワチャワチャ撮影を進めていったら、怪奇現象が起きてパラレルワールドに連れて行かれたり、赤い女が撮影したグループの子の彼女だったと思えば、目的が合致したから一緒に黒幕ボコリに行こうぜ!と判断が激早で笑いを誘ってくれます。
工藤の負の部分が集まってできた人間体が黒幕で、何か分からない黒いものを飛ばしてクルーを鎮圧するなど超能力ものに一瞬なりますが、バットやグーパンで勢いよく対抗していくので生身vs融合体のバトルが少し観れます。引くという選択が無いのがなんとも潔いです。
珠緒師匠が第四の壁を突き抜けて観客側に応援を求めるシーンはゲラッゲラ笑いました。プリキュアかよ!とツッコミを入れたくなりましたし、しっかり待って応援を受け取ってなんなら感謝の言葉までくれるというサービス精神っぷりでした。珠緒師匠大好き。
最終的には現実世界に全員戻って、ギャラを跳ね上げるぞーとか全員タクシーで帰るぞーとか言ってたら琴子の赤ちゃんが巨大化して空中旋回したのちに触手を全員に喰らわせて終わるという安心できるオチでした。この後世界が災厄に包まれるのが確定というのも面白ポイントです。
「オカルトの森」から入った人間なので、あの地球大爆発にはお口がポカーンとなりましたが、何作も観てるとこれが様式美のように見えてしまいました。
エンドロールでも一緒に歌おうぜ!と観客を巻き込んでくれました。撮影自体監督とキャストがやってるので、エンドロールが爆速で終わります。1分半くらいでしたかね?マイケル・ベイと良い勝負してました。
唯一無二の白石ワールドはこれからも続いていくと思うので、色々楽しみに待てるのが嬉しいです。シネコンとミニシアターを永遠に行ったり来たりして下さい。いつまでも追い続けますので。
鑑賞日 9/10
鑑賞時間 21:10〜22:35
座席 I-6