「衝撃のキャラデザ変更!! でも中身は通常営業……グランプリ編3部作の第1章沖縄編!」ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章 じゃいさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0衝撃のキャラデザ変更!! でも中身は通常営業……グランプリ編3部作の第1章沖縄編!

2024年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

萌え系アニメの続篇もしくは映画化で、ここまでキャラデザが変更されたケースって、過去にどれくらいあるんだろうか??
てか、ディープなファンの皆さんは、この唐突なキャラデザ変更に関して、一体どう思ってるんだろうか??
個人的には『劇場版Zガンダム』のキャラデザが、完全に恩田尚之絵にすげ変わっていた時以来の衝撃だったな(笑)……って、あれもサンライズか!!

とくに萌え系では、ファンは絵柄とか作画の傾向についているとばかり思いこんでいたのだが、意外とそんなこともないのだろうか? 「声優」さえ維持されていれば、ファンの忠誠心は揺るがないとか?
というか、映画化に際してキャラデザを変えるって、どういうこと?
そんなに人気が落ちていたのか? だとしたら、そもそも映画化しないのでは?
横田拓己絵を敢えて捨てて、ボザロっぽいけろりら絵に変更する理由って、なんなのだろう?
正直、俺にはよくわかりません。
そもそも、源流となる室田絵や西田絵の方向性からも、今回の絵柄はかなり大きな断絶がある気がするのだが、これで古参のラブライブファンは大丈夫なのか? 個人的には、キャスト総とっかえで続編ドラマ作るくらいに、えげつないことやってるような気がするんだけど……(笑)。
でも、映画.comの感想欄見るかぎりでは、平均4点以上獲ってるし、あんまりそこはたいして気にされてないような……。それとも、本気でキレたやつは最初から観に行ってないとか? あと、映画館販売グッズの半分くらいが旧キャラデザに依拠してるのは、さすがにどうなの??

って、ファンでもない俺が、あんまりこんなことにネチネチこだわってても、ただ気持ち悪いだけなので、もうやめときます(笑)。ごめんなさい。

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『ラブライブ!』は、無印、サンシャイン!!、スーパースター!!&虹ヶ咲のTVアニメと劇場版は鑑賞済。ただしそこまではまったわけではなく、どちらかというとデレマスアニメ版のほうに一番思い入れがあるくらい。『スクフェス』『スクスタ』も未プレイ。
個人的には、学生が自分で作曲して衣装つくって舞台設営して公営地下アイドル業に励んでいるという非現実的な設定自体に、清涼院流水ばりの無茶とファンタジー味を感じていて、ドリーミーな世界観についていけない部分があるのは否めない。
それでも一方で、女子高生たちが「部活」として一致団結して頑張る姿は至極尊いし、実際に血反吐を吐くほど鍛え上げられているらしい中身のアイドル声優たちの姿とオーバーラップして、「みんなで一生懸命歌って踊る学生アイドル」というメインコンセプトには、一定の共感を感じていた。

ところが『虹ヶ咲』の場合は、そもそも「ソロプレイが基本」ということで、なんのための『ラブライブ!』なんだか、イマイチよくわからないところがある。
TVアニメの1期、2期もリアタイ視聴したけど、「みんな仲良しのアイドル部活」であることと「ソロ活動メインの在り方」が、正直あまりちゃんと噛み合っているようには思えず、「こういうやり方もありなんだ!」と無理やり視聴者を納得させようと、何度も同じ話を蒸し返してくる押しつけがましさに、若干のうざさを感じたものだった。

で、あれだけソロだユニットだと言いながら、OPは伝統的な群舞&斉唱だし、アニメでも決め所になるとみんなで歌ってるし、微妙にやってることが一貫してないんだよね。

そういう設定の噓臭さは、劇場版でも変わらない。
なんか、「ソロでもラブライブ!」という「思想」を、必死で押し付けてくる感じというか……。
ステージで歌ってる間だけ、MV風の演出が始まって衣装チェンジするファンタジー要素も、相変わらずこちらの理解を超えている。例えば今回のしずくちゃんとか結局、道端で私服でアカペラで歌ってるだけにしかアプリ上は見えていないのでは?? AIでビジュアル加工が入るSF設定とかあるんだっけ?

何よりびっくりしたのが、メンバーの半分しか出て来ないこと!!
予備知識なしで観に行ったから、虚を突かれた。
たしかに虹は、他のスクールアイドルと比べて12人+1もいるから、このくらいに人数絞ったほうが話は紡ぎやすいのかもしれない。

ただ、人数を絞ってすごく面白くなったかというと、さてどうだろう?
ドラマとしては、TVシリーズと似たようなことを惰性的に繰り返している印象。
とにかく、かすみんの便利なキャラにオンブにダッコで、すべての展開をかすみんの挙動に依存している傾向は、劇場版でも変わらない(笑)。
ランジュは相変わらず短慮で回りをかき回してるし、
(今回登場のランジュママってゆかなだったのか!)
歩夢は同じような悩みでうじうじと暗い顔してるし、
エマは人助けのときだけ妙に生き生きしはじめるし……。

あと、沖縄でのホリデームーヴィーとしてはいちおう雰囲気十分だけど、今のところ決定的に水着成分、水濡れ成分が足りない。まあ2話、3話にとってあるんだろうけど、ちゃんとそこんところ、製作者は空気を読むように……。

ラストのSee You Next Stage 演出で、残りの6人は第2話ででてくることが明かされる。なるほど。でも、後出し組6人が推しの担当は、どんな気持ちでこの第1章を観たんだろうか?(笑) あと、もしかして次回はまた場所が沖縄から変わる??

現状は、残念ながらファンムーヴィーの域を出ない印象だが、有終の美を目指して、スタッフの皆さんはぜひ残りの二話、全力投球で頑張ってほしい。

じゃい