「環境に優しい服はとてもカラフルだった!」ファッション・リイマジン 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
環境に優しい服はとてもカラフルだった!
新しい服を買うとき、デザインとサイズ、素材、あたりまでは気にするが、その服が作られる過程で二酸化炭素は排出されてないか、労働者たちを搾取してないか、まではなかなか考えない。そんなことは目に見えないからだ。
ロンドンの人気ブランド"Mother of Pearl"のクリエティブ・ディレクター、エイミー・パウニーと彼女のチームが、いかにしてサステナビリティにこだわり、人にも地球にも優しい服作りに徹しているか、その道程に迫るファッション・ドキュメンタリーは、このジャンルに組み込むには少々抵抗がある。これまでも、素材探しに神経を割くデザイナーのドキュメンタリーはあったが、エイミーの場合は素材の良し悪しを環境保護の観点から判断し、もしも、服作りのプロセスで目的とは異なる事実が見つかると、もう一度振り出しに戻ることも厭わない。その頑固さには舌を巻く。だから本作は、むしろ社会派ドキュメンタリーと呼ぶべきかも知れない。
一つだけ付け加えると、そのような強いこだわりの下、作られた服たちが、実にカラフルで美しいこと。いくら環境に優しくても、着てみたくなる服でなければ意味がないのだ。
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