「ノーベル賞レベルのおバカ映画」キラーコンドーム ディレクターズカット完全版 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
ノーベル賞レベルのおバカ映画
1996年公開のディレクターズカット版
2023年公開
ディレクターズカット版は初鑑賞
96年版はVHSで鑑賞
今回はU-NEXTで鑑賞
監督と脚本はマルティン・ヴァルツ
脚本は他にラルフ・ケーニッヒ
舞台はニューヨーク
ペニスがちぎり取られる猟奇的事件が続発
警察は犯人を相手の女(または男)と断定し次々と逮捕
しかしシチリア出身でニューヨーク市警のマカロニ刑事は片方の睾丸をちぎり取られ身をもって体験したことでそれらの見立てを否定
鋭い無数の歯を持つコンドームを「キラーコンドーム」と名付けたマカロニ刑事はガス管をペニスに見立てて見事成功
「キラーコンドーム」は破裂し死んでしまう
鑑識の法医学者によると「犯人」は構造的に自然界にあるものではなく人造生物だった
ドイツ映画だが舞台はニューヨーク
主人公はイタリア系
台詞はドイツ語
おふざけB級映画
別のホラー映画でも使用された効果音も使用されているが許可をとったのか?
インテリな映画評論家には社会的風刺が盛りだくさんらしいが自分はそうではないのでよくわからない
伝統的価値観もリベラル的価値観も茶化したい人には向いているかもしれない
自分はこの映画作品を充分に楽しめるほどのレベルなら良かったのだがこればかりは仕方がない
コンドームは登場するが女の裸は出ない
男の裸は盛りだくさん
主人公がゲイだからだ
白人女性の裸をどうしても見たいわけではないが白人男性のお尻を見たいわけではない
しかしそれは仕方がない
バベットの声は明らかに別人の声だ
男性の声ではなく女性の声だ
男でも女のような声を出せる天才はいるがこれは明らかに違う
鼻を噛まれた女を演じた役者の名前が不明
何語なのか彼女には字幕がない
こういうのは嫌いだ
意図はなんとなくわかる
この映画には出てないしこの映画の解説に来たわけではないがわざわざ仙台に駆けつけて井浦新がこの手のことを解説してくれた
だがそれを共有したくない
手抜きと同じだ
マルティン・ヴァルツ監督作品は他にない
ラルフ・ケーニッヒ脚本作品も同様
本当は他にもわりとあるのだろうがおそらく『キラーコンドーム』以外は日本で公開されていないのだろう
あまりにも出来が悪くて
基本的に海外作品は出来が良いから日本で公開される
例外もたくさんあるが
煮ても焼いても食えないような客入りが良いわけがない洋画は配給会社が大損するし有名俳優が出演していたとしても日本では公開されない
海外作品を過剰に持ち上げ邦画をこきおろすバカは根強く存在するが彼らにはその視点はない
くだらないが俳優陣の芝居のレベルは高い
最後は主人公が演説し感動までさせてくれる
自分にはあまり響かないけど
ちなみにWikiはルイジだが正しくはルイージだ
配役
ゲイで32センチの巨根を持つニューヨーク市警の刑事のルイージ・マカロニにウド・ザメル
マカロニ刑事の同僚でゲイが嫌いなサム・ハンクスにペーター・ローマイヤー
若い男娼のビリーにマルク・リヒター
かつてルイージと肉体関係を持った元刑事で今は女装しているボブ・ミラー(バベット)にレオナルド・ランシンク
博士夫人のリフレゾンにイリス・ベルベン
生化学の権威であるロシア系の博士のボリス・スミルノフにラルフ・ヴォルター
大統領候補のディック・マクガヴァンにジョージ・マーティン・ボード
刑事のサリーにヘラ・フォン・シネン
刑事部長にロン・ウィリアムズ
売春宿の経営者のロビンソンにヘニング・シュルター
キラーコンドームを分析する法医学者にエヴェリン・キュンネッケ
キラーコンドームの被害者のジョーにピーター・クルーガー
フィリスの部下の中国人にウェイジャン・リウ
女医のフィリス・ヒギンズにメレット・ベッカー
フィリスの夫のヒギンズにオットー・ザンダー