「危険な遊び」イノセンツ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
危険な遊び
イーダ(9歳)
その姉で自閉症のアナ
アラブ系のベンジャミン(ベン)
インド系のアイシャ。
この3人の少女と一人の少年のサイキック・ホラー映画です。
引き込まれました。
不思議で神がかりで邪悪で無垢(?)
でもって、少しはズルい。
でもアナはめっちゃ無敵でかっこよかった!!
自閉症の子どもはある意味で選ばれた子どもかも知れない。
特殊能力を持つ故に、
言葉が話せない、
他者と意思疎通が出来ない、
相手の顔を見ない、
などの代わりに、
聴こえないものを聴き、
見えないものを見、
細密な絵画や、作曲、計算、ジグソーパズルなどが得意、
だったりする。
この北欧ホラーは子どもたち4人がサイキック能力を持ち、
その中の一人が邪悪な心を持っていたことから、
不気味な事件が多発する。
「ミッドサマー」と「LAMB/ラム」の不思議な魅力に取り憑かれた私は、
この映画のまた一味違うサイキック・スリラーにも引き込まれました。
子ども4人が主役。
ノルウェーの低所得者向けの団地に越してきたイーダと姉のアナ。
アナは自閉症で言葉を離さない。
イーダに近づいて来た少年・ベンは見たところアラブ系の顔立ちをしている。
ベンは小石を超能力で移動させたり、大木を真っ二つに折ったりできる。
小石や大木ならまだしも、悪意はエスカレーターして行く。
もう一人の少女・アイシャはインド系の優しい少女。
顔や手ににアトピーなのか白斑がある。
アイラはブランコに揺られていたアナとなぜか意思疎通が出来るようになる。
そしてベンのサイキック能力は人に向かって、
いじめっ子の脚を折ったり、
大人を操っていじめっ子を殺させてしまう。
そして、
遂には自分と敵対して来るアイシャを憎み、
危険を感じたベンは、
アイシャの母親の意思を操ってアイシャを
惨たらしく刺殺させるのだ。
無敵に思えたベンだが、畏れを感じたイーダは
ベンを歩道橋から突き落とす。
それでも平気だったベン。
しかしアイシャを殺されたアナは
最強のサイキッカー。
主導するのはアナ。
水辺に立っと波がさぁーっと押し寄せて来る。
そして砂がサーっと引いてくる。
そしてベンは遂に‼️
この映画が特異なのは、大人が徹底的に無力で蚊帳の外であること。
子どもたちだけの孤独な闘い、
イノセンスとの訣別、
それをメタファーにして描いた成長物語なのだ。
日本の漫画「童夢」by大友克洋の40年前の作品をベースにしている。
北欧と日本・・・遠くとも意外と近いのだと感じた。
そしてこの映画のヒロインは自閉症のアナ!!
アナの超能力はギフト。
アイシャのためにも強く生きてほしい。