「子供たちが陥る落とし穴は「狂気」ではない。」イノセンツ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
子供たちが陥る落とし穴は「狂気」ではない。
説明文には「次第に狂気へと変わっていく」と書いてあるのだが(公式サイトでも「とりかえしのつかない狂気」とある)、果たしてあの子供が陥ったのは狂気だろうか。幼い日には誰もが抱いたもどかしい感情が、おそらく超能力によって増幅され、そして歯止めがきかなくなるリミットを超えてしまう。超えた時点で狂気なのかもだけれど、この映画の子供たちは全員、ごく当たり前の感情に振り回されているに過ぎず、気持ちと気持ちの掛け違いを極端なカタチで表現したらこうなったのではないか。それくらい本作で描かれているエモーションは普遍的だし、決して特殊な子供たちの物語ではないのだと思っています。
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