「再生から1時間半でエンディング」カレとカノジョの確率 k _さんの映画レビュー(感想・評価)
再生から1時間半でエンディング
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さっきのことが過去になり、数分先の未来が今になる
ひとつひとつの選択に迷っている時間はなく
ひとつひとつの選択が人生に反映されるのだと
改めて気付かされた作品でした。
ハプニングから始まったこのストーリーは
恋愛が生まれる時に揃うといわれている【happening・timing・feeling】を見事に描いていました。
長時間のフライト中に少しずつふたりの距離が縮まるという構成は、
非日常+恋愛という、まさに確率で考えたいテーマだった。
この1時間半の物語の中で何度も感動するシーンが含まれており、ふたりの結末までを俯瞰で見ているようなモノローグ式も新鮮で見やすかったです。
こんなにさっぱりと見終わったのに、中身がぎゅうぎゅうに詰まっていて、余韻がしっかりとある作品は他にないと思う。
そして滅多にないところはもうひとつ、登場人物にいい人しかいないこと。
親の病気は誰にも回避できないこと。あの数分間に兄弟愛、家族愛、親子愛が描かれていたことに圧巻。
ヒロインの親子関係もまた、深堀すれば一本撮れそうなものをあの尺の短さで十分に描かれてる。
重いテーマも重くなりすぎない魔法は、
比較的POPな劇中音楽や、街の景観や洋服、照明などありとあらゆるところで工夫がなされていて全体的に映像が色彩豊かだったところにあると思う。
おかげで全てが見ていて飽きない。
そういった面でも温かく、とてもハートフルな作品でした。
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