卍のレビュー・感想・評価
全1件を表示
耽美派
クリックして本文を読む
二組のカップルのそれぞれの思惑、そして愛情への渇望 過去に被られた深い傷と拭えない闇
倫理や道徳心を軽く突き崩す"ファム・ファタール" 危険報知ランプが廻っていてもサイレンが鳴り響いても抗えない誘惑 幸せの綻びを埋める為に躰を重ねる強欲さ
歯医者&ブティック経営者という富裕層に属する人種に関わりたい それは手段ではなく目的 金は貰ったが使い方は貧相 刺激的な世界は、現実の木造アパート1階共用廊下の一番手前部屋での茹で蟹の食事では決して出現しない
食べ終われば殻のみが残る 二人を"戴いて"殻を捨てるが如く、霧のように消えてゆく・・・
だが、ブティック経営者の欲望の暴走は始ったばかり 経済価値だけでは足りない新しい世界を体現してしまった妖しくも狂おしい"卍"は、刺激を求めて蛞蝓のような交愛に身を堕としていきたいのだ 一瞬の刹那に身を窶しても、情熱が人生を灯す炎の如くに・・・
レディコミジャンルというアプローチは、対極にいる自分のような"おじさん"に何を訴えたいのか?
谷崎原作は未読である
コメントする (1件)
共感した! (1件)
全1件を表示