「くるくる回るヨー」名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 おひさまマジックさんの映画レビュー(感想・評価)
くるくる回るヨー
シリーズ3作はすべて鑑賞しました。
レビュアー多士が語られている通り、前2作に比較すると少々異なる味付けの今作。私からすると「まあ良かったかな」という感想。
元々はミステリ小説好きですから~、私にとっては入口から合格なわけです。
でもって、良質なミステリ映画を期待したのですが、、うーん、少々至らなかったかなぁ。どちらかというと、火サスというか、ニッポンの二時間サスペンス的なそれに思えた。ある意味定番化したってことで、ケネスポアロシリーズとしてはGOODでしょう。
列車も客船も屋敷も密室であり、お得意のパターンは同じなのだが、いかんせん時間のほとんどが夜であり、画として、まあ暗い。あまりにも暗い画が続くので目が疲れるほど。これは、、眠くなるかもしれない。そんな中、効果音の「ドン!」「バン!」「ギャー!(インコ?)」が多用されていてホラー要素としてはやや稚拙にも感じてしまった。
前作『ナイル』は良かったんだなと改めて実感。
ポアロの内面もそれほど描くことなく、ある種 淡々と読み進めるような佳作的なミステリだった。思い切ってもっと犯人側のストーリーを掘り下げてみてもよかったのではないかな。そうすれば母の狂愛や、事故死(?)の娘や少女の幽霊などの見栄えが変わったように思えるが、いかに。
意外やチョイ役止まりなミシェル・ヨー霊媒師の、インチキがバレた後の絶叫グルグルはコメディ的な面白さ。エブエブのハチャメチャ印象を引っ張ってきたな~コレ。何故かわからないが串刺し死亡した姿のスタイルの良さには目が行った。
ケネスポアロ作品はどれも音楽、そして舞台風景の美しさが素晴らしく、それは本作でもしっかり踏襲。後日談にあたるであろう、ヴェニスの鳥瞰風景はいかにも素晴らしく、劇場で見る価値はあったと言える。
本編に関係無いがエンドクレジットの短さは好感。
他作品もこうやってくれないかなぁ。