「蒼い気持ちを思い出させてくれました!」バジーノイズ zuzuさんの映画レビュー(感想・評価)
蒼い気持ちを思い出させてくれました!
清澄くんは、無垢で、才能ある、引きこもりのアーティスト。
それを世に出したのはファン1号の潮。
2人とも傷ついて、自信をなくし、世の中でどう立っていいかわからない者同士。ある意味モラトリアム中。
でも、その気だるい時間の中で、自分たちの心に響く、蒼い音だけを頼りに、二人とベーシスト、ドラマー、マネージャーたちが繋がり、共鳴しあっていく。
セッションを重ねる中、アーティスト達の感性が殻を破り、爆発する瞬間が何度訪れる。鳥肌!
才能があるって羨ましい。でも気がつくと、ワルイ大人に吸い付かれて、もぬけの殻になったりする。
そうなりかけた清澄の心に、潮と蒼い音の仲間達が殴り込み、清澄は再び自分を取り戻すのだった。ヨカッた!
清澄がミュージシャンとして花開いていく一方、潮は、自分の役割が終わったように感じていた。
自分はどう生きたらいいの?
避けようのない、重い問いが押し寄せていた。
2年後、潮はインテリアデザインの道に進んでいた。清澄の推し活に没頭するでもなく、マネージャーになるでもなく。意外なようで、意外でもない。ピュアな潮が自分に向き合った答えだったんだろう。
もちろん、清澄の一番のファンのまま。
あの蒼くすみわたる、気だるい時間があったから、
自分の心に響く音だけを正直に選び続けてきたからこそ、
皆、今の場所に行けたんだね。
おめでとう!
自分の蒼い気持ちを思い出させてくれました。