「良い作品に巡り会えました」さよなら ほやマン 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
良い作品に巡り会えました
トークイベント付き上映
震災で止まってしまった時間を再び動かす物語。
石巻市の離島に住む兄弟と、島に押しかけてきた漫画家。
その不思議な共同生活から、ゆっくりと動き出します。
初めてキービジュを見た時「え?ひょっとしてMOROHAのアフロ⁉︎」とたまげたの覚えてます。
そのアフロは芝居云々というより、その存在感がすごいですね。
一度思いついたら他は考えられない配役でしょう。
シゲル役の黒崎煌代もしみじみとしてたし、呉城久美のやさぐれた感も良い。
その若い三人を松金よね子とツダカンがしっかり支えてました。
あとなんでしょうか、島感がすごいんですよね。
何だか自分がその島に放り込まれたような、島民みたいな感覚がありました。
監督自身が石巻出身らしく、島の日常をうつすのがうまいのでしょう。
あと、ほやってあんなゴッソリ食べるもんなんですね?驚きました。
エンドロールはMOROHAと思ってたらボガンボス。このチョイスも良いですね。
あと「ババアだって、悩みながら生きてんだ!」
すごい沁みました。
残された者の喪失、認められない気持ち、口にしない海のもの。そしてそこから踏み出す一歩。
とても良い作品に巡り会えました。
終演後は監督とアフロのトークショーです。
何故かアフロはほやマンの衣装に身を包み、徐々に脱いでいくという謎の進行でしたw
やはりそのビジュアルで「どんな映画かわからない」って事に困っていたようですよ。snsで宣伝しても中々伝わりにくいとの事でした。
あとタイトルは当初もっとキラキラしたものだったのですが、試行錯誤してここに着地したようです。
またアフロのアプローチも本気で、撮影にあたって船舶免許を取ったり、素潜りスクールやロープの結びも覚えたみたいです。
またほやマンの衣装は海で取れた物で制作しており、最終的に脱いだパーツ(ブイで作った筋肉)が客席にも回ってきましたw
とっとと帰るつもりだったのですが、作品が良かったのと応援も込めて久々にパンフも購入。サインもいただきました。
ご当地B級コメディに見えますが、結構真面目なヒューマンドラマ。
本当おすすめですよ。