「虚しい戦さの先に、光は射すのか?」ザ・クリエイター 創造者 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
虚しい戦さの先に、光は射すのか?
◉戦争が増えただけ
わざわざ世界と人々の幸福を考えてAIを創り出し、そのクオリティを上げて進化させていった人類とAIの間に、何が起きたかと言う物語。核爆発をきっかけに、AIたちは人類の敵にされてしまう。人類の身勝手な戦いが始まり、断頭台のようなノマドが天空に現れる。
展開自体は、暗殺者だった戦士が標的を命がけで護る側に転じると言う、ありがちなものでした。しかしAIと人類がもがきながらも在り方を模索していけば、微かな光は射すかも知れない。そんな可能性を、AI含めた生命全部を包む壮大な景観に託して描いていたと思います。
◉「ニューアジア」はディストピア
SF系の話に登場する「ニュー」を冠された都市や街は戦争の結果、ディストピアになった地域や、戦中戦後の混乱した夾雑な街区を指していることが多い。新しい希望を見つけたくとも滅多に望めない場所に、「ニュー」がつく。
ニューアジアは現在、切れ目のない戦争のさ中にあるが、人とヒト型・ロボット型のAIが動き回る不思議な街中を離れると、山紫水明の村や山が広がっていた。こんな美しい世界を侵してまで、生き物は戦闘態勢をとり続けて、結局はディストピアは増殖するのだ。
ところで、ヒヒ系の猿が一瞬現れてアメリカ軍に手榴弾を投げていたが、あれは何だったのだろう。あれもAI兵器と言うことだろうか?
アメリカが国を挙げて東西戦争を始めたと言う展開が、少し間抜けで非現実的な感じがあり、またジョシュアの恋人マヤが、ニルマタの後継者と言う設定はやや取って付けたように感じました。更に攻撃されたAIに対して、自分そして母と性交してくださいと言うアナウンスが流れたシーンのあまりの不気味さが、私としては長らく拭い切れない(聞き違いではないと思います)。
しかし、アルフィーが自らの存在に対する哀しみを淡く滲ませながら逃避行を続ける姿は、とても愛しかった。
可愛いのに、あざとさがない!
U様
お邪魔します!
>アルフィーが自らの存在に対する哀しみを淡く滲ませながら逃避行を続ける姿は、とても愛しかった。可愛いのに、あざとさがない!
嗚呼、確かに「自らの存在に対する哀しみを淡く滲ませて」いましたね!(共感)。このアルフィーの可愛らしさがすべてだったのかもしれません(汗;)。あどけない少女が危険にさらされている、健気に生き抜こうとしている、その少女を命懸けで救おうとする主人公に心を鷲づかみされてしまった作品でした。
赤ヒゲでした。
共感そしてコメントありがとうございます。
ラストはスペクタルで盛り上がって、観終わった気分は
後味は良かったのですが、仰る通り、
ベトナムみたいな村で原始的な戦闘と西側アメリカの人型ロボットとか、
そしてラストは未来設計の宇宙空間・・・
たしかに混濁してますね。
あのヒヒはなんだったんでしょうね?
アルフィーが無垢で愛らしく(笑って貰って、嬉しい)
アルフィーに丸投げの映画というか、スッキリしませんでした、
本当に。