「アンドロイドの黙示録」ザ・クリエイター 創造者 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
アンドロイドの黙示録
AIと人類の戦争の話しで、またもや『ターミネーター』の焼き直しかと思ったら、AIと人類の共存がテーマで色々と考える所があって面白かったです。劇中に出てくるニューアジアは、AIの寺院があったり、社会貢献でメカ丸出しのロボットへの身体データの寄付が行われていたり、もはや共存でなく対等な相手としてAIと一体化した国家です。 それを危険視したアメリカがニューアジアを攻撃するのは、異なるイデオロギーや人種、宗教の国家を認めない不寛容な現実世界のメタファーのように感じました。攻撃のシーンでは、まさにベトナム戦争やチベット侵攻を連想します。一方で、ニューアジア政府のアメリカへの対応があまり描かれていないのは残念。お話しは中盤で中弛みする所もあるけど、最後の20分の戦闘はギャレス・エドワーズ監督らしい剛腕の演出で大迫力でした。役者では、生身の人間よりもAI側の方がインパクトあり、アルフィー役のマデリン・ユナ・ヴォイルズがすごい存在感でした。同様に渡辺謙も母国語を張り上げながらの熱演でした。
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