「とてもよかった」ザ・クリエイター 創造者 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかった
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まずロサンゼルスに原爆が落ちてグラウンドゼロが存在しているのが『アキラ』のネオトーキョーじゃん、みたいな、わくわくする。完全にAIサイドの表現で、欧米を悪者にしていて、ガザが今そんな感じだけどいいのか。パレスチナはパレスチナでドン引きなところもあるけど、AI側には負の側面がない。みんな善良だ。
当たり前みたいにAIが存在していて、突き抜けたものを感じる。スマホや携帯がなく、公衆電話がある。80年代SFが描いた近未来だ。
一方で逃げている主人公を、敵が苦も無く見つけるとか、敵も味方も前後の考えもなく撃ってくるなど、類型的な雑な展開や表現にちょっと興ざめする。アルフィーとのひそひそ話を解析して「オフじゃないスタンバイだ」と聞いた途端、そう言って安心させて撃ったとは検証せず一発で、罠であると判断するとか、まあ当たっているけど、雑だ。もうちょっと知性を感じさせて欲しいのはSFだからなおのことだ。
自爆ロボットが礼儀正しくて泣ける。
軍事施設のノマドにあんな感じで簡単に民間人が入っていいのか。農場があるのはすごくいい。また、爆発から壊滅に時間が掛かって悲劇的ながらも幸福なラストシーンが展開するのはすごくいい。あそこでは彼女の死の直前の記憶が再現されて「あんた裏切者だったのね」とならなくて本当によかった。
日米安保条約がなくなって日本がアジアに組み込まれてアメリカと敵対している。
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