「サイコパスの斬新さと二転三転する怪物の正体」怪物の木こり つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
サイコパスの斬新さと二転三転する怪物の正体
サイコパス犯罪もののドラマや映画が好きだ。彼らのヤバさが好きなのだ。
しかし多くのドラマや映画の中のサイコパスというのは、どこか人間的で、サイコパスの名を冠しているだけの全然サイコパスではない人だったりする。ドラマや映画用に「作られた」サイコパスだからだ。
そんな、間違って作られたサイコパスに不満だらけの私の目の前に本作は現れた。
なんということでしょう。作品の中でサイコパスを作ってしまうなんて。これだけでもう斬新。
なのに、サイコパスであることが治ってしまうのだから、考えたこともない新しい世界を覗くことになる。
作られたサイコパスのサイコパス描写は物語の都合上ほとんど描写されないので、彼らのサイコパス度に満足できたかは分からないが、少なくともサイコパスファンとして、不満を感じるようなところはなかった。
そしてミステリーの核となる怪物の正体も、二転三転する面白さがある。
今の事件、過去の事件、主人公の揺れ、面白いキャラクター、これらが巧妙に絡まり娯楽性を生む。
予想外に面白く期待以上だった。
サイコパスを作る。サイコパスが治る。このあり得ないふたつの斬新さだけでサイコパスファンにとっては充分すぎるほどに面白さを感じた。
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