「運命に翻弄されたアキラとタケシ」怪物の木こり 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
運命に翻弄されたアキラとタケシ
サイコパスに成長するマイクロチップを埋め込まれた子供
・・・この設定は近未来SFだろうけれど、あまりSF感はないです。
しかし芸達者の配役揃いで面白かったです。
《ストーリー》
31年前、東間(トーマ)事件という猟奇的犯罪があった。
生まれた子供がサイコパスだと知った東間翠(母親)は、
息子を治療するための実験として、幼児を拉致監禁して、
脳にサイコパスに育つマイクロチップを埋め込んだのだ。
その脳手術は危険を伴い、警察が踏み込んだ屋敷には
15人の子供の遺体が発見された。
生存していた子供はタケシという名の年長の子供1人だった。
その後犯人の東間夫妻は亡くなり、
タケシの行方も知れずだった。
【そして31年後の現在】
都内では、連続猟奇殺人事件が立て続けに3件起こっていた。
被害者は社会悪と思われる悪人の主婦や と銀行員など。
そして斧で殴打され殺された遺体からは、脳味噌というか脳が
半分以上持ち去られていた。
犯人は童話《怪物の木こり》の扮装をしていた。
弁護士の二宮彰(亀梨和也)にも【悪魔の木こり】の魔の手が襲う。
斧のミノで殴打され頭蓋骨を骨折するが、格闘の末犯人は逃げる。
そして手術を受けた彰のレントゲン写真には脳の前頭葉に
マイクロチップの影が薄く写っていたのだ。
そして警視庁の天才プロファイラー・戸城(菜々緒)が乗り出してくる。
被害者3人の脳を奪った目的は?
マイクロチップを埋め込まれた子供は本当にサイコパスになったのか?
彰も養護施設に捨てられていた孤児アキラが
(実はトーマ夫妻に拉致された一人で、
マイクロチップを埋められたサイコパスである彰)
などなど面白い展開。
彰の婚約者の吉岡里帆。
彰が狙う大手弁護士事務所の令嬢・・・という普通の役でしたが、
ラストでは期待通り、一働きしてくれます。
亀梨和也も襲撃された衝撃でマイクロチップの効力が薄れて、
優しい情に目覚める役で、悪役ながらラストに見せ場がありました。
またプロファイラーの菜々緒はフレームの大きい眼鏡と
ウェーブの掛かったロングヘア、そして低めの甘くない声を作り
別人のようにクールでした。
カッコよかったです。
サイコパスであって、殺人マシーンではないので、
韓国映画「THE WIITCH/魔女」のような派手なアクションシーンや
CG映像が有ればもっと良かったけれど、
サイコパスが人間味を取り戻す・・・
そんな展開も日本的で、安心できるラストでした。
《怪物のの木こり》の童話を朗読する子供の声が、
効果的でした。