「これというダメな要素がないがよくもない」怪物の木こり kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
これというダメな要素がないがよくもない
サイコパスと連続殺人犯という宣伝の仕方がよくないなと思いつつ、三池崇史監督だし吉岡里帆も出てるしと思い鑑賞。原作は未読。
演技がひどい俳優がいたわけでもない。菜々緒とか吉岡里帆とかよかったし。それなりに盛り上がる場面もあった。殺害シーンとかが少しおとなしめなのもある程度はいたし方ない。でも全体としての印象はあまりおもしろくなかった。
そんなに悪い要素はないのに今ひとつな印象だったのは、たぶん連続殺人犯の正体だ。あの人なんてことはないよね、なんて思っていたら本当にそうだった。この手の映画で、犯人がお前誰?って思われてしまったら盛り上がらないもんな。ここらへん作り方が難しい。
あとチップもよくない。現実的な世界の話と思わせておいて、やや非現実的な設定が持ち込まれてしまうと気持ちがついていかない。あんなんで壊れてしまうのも都合いいなと思ってしまう。
三池崇史監督としては少しおとなし目だった印象の本作。好きに撮らせてもらうことはもう難しいのだろうか。それとも監督がおとなしくなってしまった?三池監督にはまだまだ攻めた映画を撮ってほしいと願う。
コメントする