復讐の記憶のレビュー・感想・評価
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日本の罪、己の罪
日本の植民地下に置かれた韓国( 韓国併合 )で行われた事実( 徴兵、徴用工、慰安婦 … )が重くのしかかる。
長い間、復讐を心に誓い生きてきた男ピルジュ( フレディ )をイ・ソンミンが、アルバイト先の同僚の好青年インギュ( ジェイソン )をナム・ジュヒョクが熱演。
世代の異なる二人が、真に心を通わせるシーンが沁みる。日本の蛮行が重くのしかかり、エンドロールで涙が溢れた。
私達日本人は、この史実を果たして学校で教わってきただろうか。韓国の人々は、私達日本人を許してくれているのだろうか。
ーキヨハラ タカヨシ
ー優しく生きて下さい
映画館での鑑賞
反日反韓なんてそろそろやめましょう
「反日」色が色濃く描かれていると思われがち
でも
そんな単純な話ではなかったように思いました。
観る者の捉え方で印象はずいぶんと変わると思います。
個人的には「反日」を唱えたものと言うより
己の私利私欲の為に日本に媚びへつらい
それによって大切な家族を亡くした者が
祖国を裏切った者たちへの長く辛い復讐を
誓った物語で、
本当に許せなかった最後のひとりがわかった時
韓国映画の凄さを感じました。
この復讐劇に巻き込まれた青年ジェイソン(ナム・ジュヒョク)と
辛い過去をもつ80歳の老人フレディ(イ・ソンミン)
このふたりのバディが韓国の過去と未来をも描いていて泣かせます😢
決して大日本帝国だけを批難した作品ではないと
広い視野で観てほしいかも。
(それでもやっぱり見ていて気分のいいものでは無いけれど💦 )
イ・ソンミン、特殊メイクを使って80歳超えの
おじいちゃんを演じてますがもうなにあのおじさん🤣
そもそもわたしおじさんよりヤングなイケメンが好みですが、
あのおじさんは本当に魅力的でLoveですわ😍←聞いてないw
あ、でも。
ナム・ジュヒョクも可愛い🫣
この復讐、自死の道連れでは?
フレディーにジェイソン、って、ホラーな二人に笑いました。
ふたりがホラー映画のファンでもそうじゃなくても年齢がだいぶ違っても、いいバディっぽいのは分かった。
韓国映画は意外性に満ちていて先が読めないのがすごい。
途中が強引でもありえない嘘っぽさがあっても、意外なラストで帳消しに思えたりする。
そもそも、「フレディ」が80歳を超えたじいさんに見えない。
ホンモノの80歳超を使ったらゆるゆるのアクションすら無理そうなのでそこは仕方ないか。
イ・ソンミンは内藤大助に似ていて憎めない風貌。
気のいい同僚の若者「ジェイソン」が、巻き込まれて犯人に間違われたりしないようにと願ってしまった。
自衛隊が記念パーティーを韓国でするとかあり得ないし日本人の日本語がたどたどしすぎる、女性の着物姿が変、とかツッコミどころ多々あり。韓国の人はこういうの見て、どう思うんだろうか。そして、犯罪になんであんなに派手な車使うんだろう?
肝心の復讐が、長年計画を練ってきたと言う割に出たとこ勝負でぐだぐだだだし、フレディがベトナム戦争上がりでプロフェッショナルな手際の良さとか期待したのにそれほどでもないし。
コリアンムービーにありがちな日本糾弾一直線かと思ったがちょっと違う。
ハン・ピルジュの憎しみは、旧支配者の日本人というより、日本にすり寄ってピルジュの家族を騙し陥れ、死に追いやり、甘い汁を吸い続けた「同胞」に向けられており、最後に残った究極に許せない標的が判明して驚愕、さすが韓国映画と思った。
バイト先のレストランを長年に渡って皆勤で新聞に載るとか、退役軍人の式典に皆勤とか、ピルジュの性格がチラ見えしてちょっと可笑しい。
それにしてもちゃっかり結婚して家庭を持って娘たちも嫁がせ妻も見送って、普通の人がすることを一通り経験し終えて自分は病気で先がない、責任を終え失うものが無くなってからさて、長年寝かせてきた「復讐」開始って、結構ちゃっかりしているんじゃないの、ハン・ピルジュ。
あ、だからそういう自分が最終的な標的なのか。
この復讐、自死の道連れでは、という気がしないでもない。
ラスト、フレディは本当にジェイソンを忘れてしまったのか、忘れたふりをしたのか
ジェイソンがお咎めなしだったようでよかった。
復讐は綺麗ごとではない
イソンミンとナムジュヒョク。
大好きな俳優なので期待値高かったけど、やっぱり面白かった。勘のいい方は、途中でオチがわかりそうだけど、容赦ない感じも良き。
センシティブな内容なので、居心地は少し悪いけれど、上映してくれてよかった。
悪い事をしたが、悪い人ではない
大筋は悪くないが、不自然さも多い。
目立つ車とか、一件目で病院に長居する意味とか、借金取りの車を壊す必要性とか…
ジェイソンの運転技術や、他人の高級車で荒い運転するのも…
そもそも60年越しという期間に無理がある。
状況もどんどん変わってるハズだし、復讐対象勝手に死んじゃいませんか?
そのせいか結局まったく緻密じゃない作戦で、老人(相手もだが)なのに肉弾戦にもつれ込む。
そんなに復讐心が強いなら、家族つくらず早めに実行しなさいよ…
ここ、せめて40年にするべきかと。
あとやはり、日本人だから日本語の発音は非常に気になった。
違和感というだけでなく、日本人なのか韓国人が日本語を喋ってるのかの区別がつかないのです。
何度か日本語である必要がない場面もあったし。
動機に関してはジェイソンに訊ねられたときに明かしたほうが、テンポ的にも構成的にもよかったのでは。
また、フレディとジェイソンのあだ名に関しても特に意味がないなら分かりづらいだけ。
色々書いたが、演技は良かったし、あっちの文化なら違和感のないところもあるのかもしれない。
警察がポンコツなのは国を問わず定番だしね。笑
もし日本でリメイクするなら、西村まさ彦さんあたりの主演で見たい。(もちろん60代の設定で)
13
チラッと他の方のレビューを見た感じ反日と親日の人々が入り混じり、複数の人物に恨みを持っている老人の復讐劇という感じなのかーとい情報片手に鑑賞。このテーマを扱っているのもあって、日本での上映規模はとても小さいですし、宣伝もあまり見なかった印象です。
個人的にはとても楽しめました。スリリングな場面あり、考えさせられる場面あり、ほっこりする場面あり、多少引っかかるところはありつつも、尺の長さは全く感じさせないほどあっという間に最初から最後まで駆け抜けていきました。
新日の韓国人が許せないというよりかは、主人公の家族を殺したもの、もしくはそうなるように手を回したもの、裏切った同胞たちに向けて復讐劇でした。
娘達を嫁に出し、妻も見送り、親として夫としての責任を果たして最後の大仕事へというのがなんとも渋いです。
最年長バイト(80歳)と若いバイトの交流は年齢を超えた友情が強く描かれていてほっこりしました。復讐さえ無ければこの2人は真の意味での親友だったんだろうなと胸がキュッとなります。道中でスーツを買ってあげるシーンなんかとても好きでした。
殺す手段は植民地時代に使用されていた銃というこだわりっぷり。最初の相手にだけですがペットボトルに綿を詰めて音を最小限にして殺すのは練られているなと思いました。2回目以降は不発に終わったので、シンプルにバチコンと撃っていくのはまぁ計画はうまくいかないというのが体現されていました。
両親、姉、兄に携わった人物を狙い撃ち、練りに練った計画を実行していく姿は80代に見えず、執念は年齢をも超えて果たすまで残るもの、そして最終的には何もできなかった弱い自分自身を始末するというラスト、そこに全速力で止めに来るジェイソン、構図的にはよく見る画ですが計画の終着点としてはうまくまとまった終わり方だったなと思いました。
刑務所での再会でフレディは殆ど忘れてしまっていたけれど、2人が抱きしめ合ってフレディが手を回して優しく生きてくださいというセリフは沁みました。ジェイソンの悪い事はしたけど、悪い人じゃないとお互いにかける言葉に人間性が表れているなと思いました。
不満点としては日本人役はなんとかして日本人を配役できなかったのかというのは惜しいところです。もちろん、役者陣は慣れないであろう日本語を頑張って喋ってくれていましたし、自分が韓国語をあそこまで喋れるかといったら間違いなく自信はないので、そこを卑下するわけにはいかんなと思いました。んーでもやはり違和感は…。
主人公たちが都合よくトラブルを回避できてたのもなんだかなぁって感じです。偽造書を作れる知り合いが突然登場したのにもん?ってなりましたし、入り口のチェックの際にそんな少ない調べで本当に大丈夫か?とも思いましたし、なぜそこに警察が来ない?とここのシーンは雑だなと思いました。
警察たちがしっかりともたついていたのが何回もあったり、借金取りが自分もやられたとはいえあそこでアシストするのはちょっと都合が良かったのが気になりました。
エンタメ性十分、韓国映画を多く観ているのもあって入り込みやすく、半世紀以上前とはいえ日韓の関係性について深く考え、少しずつではありますが良くなってる関係性を映画などのエンタメで強まっていけばなといち日本人として強く願います。
鑑賞日 9/11
鑑賞時間 12:35〜14:50
座席 B-4
歳の差コンビがよい
韓国映画らしい、重くてエモーショナルな論点も盛り込みつつ、映像的な見せ場も多い娯楽作となっている。
主人公の老人と若者の組み合わせがとてもよい。職場の同僚であること以外は全く説明がないのだが、演技や表情から伝わる、老人の若者に対する庇護心、(年長者を敬う文化ゆえか)若者が老人を慕いかいがいしく面倒をみる感じが、相互の信頼の強さを示してバディムービーとしての出来を高めている。
そしてその温かさとの落差で、計画を遂行する老人の無表情からにじみ出る鬼気迫る姿が際立つ。
中途半端な陰謀論的設定(過去が暴露されないように私兵に主人公を殺させようとする)とか、出番の多い刑事が全然役に立っていないなど、粗もあるが、勢いがあってあまり気にならない。
計画の動機と状況設定について。主人公は、日本の苛烈な植民地支配により失われた家族への復讐として、その死に関与した人々の殺害を企てる。対象者は皆、支配に加担していた過去を捨てて軍産学界で大物になっており、日本の支配を擁護、あるいは歴史的に相対化するような言動を行っている。このため、観客は映画全体に通底するモチーフとして日本の植民地支配を意識させられることになる。
受け止め方は様々だと思うが、個人的には、これは反日のメッセージではないと考える。主人公の動機は個人的なもので、対象者も直接の関与者に限られ、今の日本を批判してもいない。
むしろ、現在も親日か反日かで社会が分断される韓国社会そのものを批評しているのではないか。いわゆる「親日派」を(劇中で)殺すことで断罪している、と見えるかもしれないが、そうであれば「最後の殺害」を完遂して終わっただろう。若者がそれを止めて罪を償わせることで、こうした対立と無縁の世代が新しい社会に導くであろうことを示唆しているのだと思う。
ただ、服役する主人公自身は(当初からの病気により)記憶を無くし、姉弟で生きる幻想の中にいる(房内に貼られた絵)。また殺された元将軍は、親日の過去から、戦没者が眠る顕忠院に埋葬されないことが報じられる(白善燁将軍のケースを想起させる)。和解の道はそう簡単ではない、ということか。
関連して感じたのは、(そんなに観てないので単なる印象論だが)韓国の映画ビジネスの中で、日本による支配の歴史も、北朝鮮との関係同様、エンターテインメントとして消費されるようになってきたのかということ。それはあたかも、欧米の映画でナチスドイツがシリアスからコメディまで、あらゆる使われ方をしているのとも似ているかもしれない。まあ、あまりカリカリせず、本筋のサスペンスを楽しめばいいと思う。
ちなみにエンドロールによると本作はアトム・エゴヤンの「手紙は憶えている」(Remember)の翻案で、オリジナルはナチへの復讐だという。
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