「さすがの怖さ」ブギーマン M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがの怖さ
怖かった。母親(妻)を亡くすという悲劇がトラウマになっている点がキモ。暗闇に何かがいるという、子どもなら誰もが抱いたことがあるであろう原初的な恐怖に説得力が増している。
結局、ブギーマンと呼ばれた怪物が何なのかは分からずじまいだが、打ちひしがれて無防備になった人のもとに暗闇とともにやって来るという設定は、いかにもキングらしくて良い。物語の中ではブギーマンの存在はリアルだが、同時にある種の象徴というかメタファーにもなっていて、その怪物を倒すことで悲劇的な経験を乗り越えて未来へと前進できるというのは、愛するものを失って悲嘆にくれる人をそっと後押ししているようで感慨深い。
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