「【“現代の戦争に勝利はない。”尋常でない臨場感、緊迫感の中、CIA工作員の男とアフガンの初老の民が、イラン特殊部隊、ISIの攻撃を交わし逃げる中、芽生えた絆を描く激シブ、ムネアツアクション映画。】」カンダハル 突破せよ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“現代の戦争に勝利はない。”尋常でない臨場感、緊迫感の中、CIA工作員の男とアフガンの初老の民が、イラン特殊部隊、ISIの攻撃を交わし逃げる中、芽生えた絆を描く激シブ、ムネアツアクション映画。】
■トム(ジェラルド・バトラー)は、CIA工作員としてイランに潜入しイランの地下に有った核開発施設の破壊に成功する。が、家にいる妻からは娘の卒業式への出席と離婚を迫られている。
そんな中、トム達の秘密工作が漏洩し、トムの相棒オリバーはイラン特殊部隊に殺され、トムも640キロ離れたアフガニスタンのカンダハルにあるCIA基地に向け、逃避行を始めるのである。
◆感想
・中近東を舞台にした映画は多数作られているが、臨場感、緊迫感が凄い。一見長閑な荒野に見えても、あちこちに地雷が仕掛けられ、何処からかRBGが飛来したり、スナイパーの弾が襲って来るからである。
更に言えば、今、喫緊の問題であるイスラエル軍とパレスチナ自治区を実行支配するハマスの問題がある中で、今作を観ると正に戦地に居るかのように思えてしまうのである。
・トムは事情を知らない久しぶりに帰国したアフガン人、モーを通訳として雇い逃避行に出る。だが、二人を襲うイラン特殊部隊、ISI(パキスタン軍統合情報局:お金の為)を見て、モーは真実を知る。
■窮地に追い込まれたトムは且つてアフガンでアルカイダを共に攻撃したアフガン武装軍を率いるイスマイルに連絡を取り、助けて貰う。
だが、イスマイルの軍は、モーの長男を始めとしたアフガンの民を虐殺していたのである。ここでのモーとイスマイルが交わした言葉は忘れ難い。
互いに銃を持つ中で、イスマイルは”アフガンで700年生きた男が居た。王は彼に尋ねた。どうしたら生き永らえれるのかと。その男は言った。簡単です。裏切れば良いのですよ。”と述べるが、モーは”その話は知っている。だが、だからこの国は一つに成れないのだ!”と言い、イスマイルに対し”赦す・・。”と言って銃から弾倉を外すのである。
モーの”赦しの思想”を全ての為政者が持っていれば、復讐の連鎖は無くなり、世界から戦争は無くなる筈なのに・・。
・今作が凄いのは、最後の最後までトムとモーの逃避行は物凄い臨場感と共に進むのである。ISIの野心家のカヒルは異様なまでにバイクで二人を追い詰めるし、イスマイルの軍に囚われた二人を助けに来たISISを偽ったローマン(トラヴィス・フィメル)の決死の行為と彼の死ぬ間際に口にした言葉などは沁みる。
<今作は、二時間の映画だが体感一時間である。
何しろ、冒頭から息つく暇がないし、そんな中でもトムとモーが夜、お互いの家族について語り合うシーンや、トムが暗視スコープで敵のヘリを打ち落としたり、囚われた時にモーの名を呼び助け出したり、厳しい逃避行の中、絆を築いて行く姿がキチンと描かれている。
更に言えば、モーがイスマイルに言った言葉は忘れ難い。
故に、ラスト、二人が夫々の家族の元に無事に戻り抱き合うシーンは、私は沁みてしまったのである。>
コメントありがとうございます!成程そうですね、直接核炉に手を出してないのであれば、大きな惨事にはならなさそうですね。
そして本作のバトラー氏も相変わらず格好良いですよね。ロストフライトも楽しみです。
単なるジェラルド・バトラーの戦争アクション映画だと思って見に行ったら、意外に深い部分もあり、また戦闘シーンを見ると、今のイスラエルとハマスの戦争の報道が重なり、なかなかの映画だと思いました。
敵味方、地理的関係が日本人にはわかりずらいので、低い評価の方もいるようですが‥‥。