キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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製作にも名を連ね、賞狙い意欲満点のディカプリオだね。
206分。それほど長くは感じませんでしたが。デ・ニーロは自然体で、デカは一生懸命『顔を作って』芝居してるのが印象的でした。まあ、アメリカ映画におけるスコセッシの『らしい』作品とは思います。デカはこれで賞獲り狙いでしょうね。
見事にダメ人間を演じきってましたね。かつて演じたフーヴァーのFBIに逮捕されちまうのも計算づく?
アメリカ深部に残る醜悪な記憶
期待と気合いを胸に秘めて鑑賞。
気合いは、、この長尺にはどうしても必要なのだ。
ああ、アメリカ。
この奇妙な超大国の影、影、そして影を描く。スコセッシ監督が、おそらくはライフワークとして世に叩きつけたような、痛烈な大作であった。
白人による、アメリカ・インディアンの迫害は世界の誰もが知るところだが、本作では真綿で首を絞めるような大河的で長期に及ぶオーセージ族への迫害・殺人事件が描かれている。長尺であることにもそんな意味合いを含ませたのではないか、と考えたが推量が過ぎるだろうか。
余談だが、人間の理性から発する差別意識の正体とは一体何なのだろうか。勉強不足を披露してしまうようで恥ずかしいが。集団で連鎖する引き寄せのそれなのか、心の奥底にある嫌悪感なのか。はたまた優越感・優位性を求める裏返しか…。濃淡はあれど世界中、今も、どこにでも蔓延している差別意識。これほど不要な精神性は他に無いと断言したい。
話を戻すと、アメリカの影である。
差別、迫害に利権が絡む、おどろおどろしい程の醜さが全編に描かれている。この3時間から学ぶものは何もないようだ。ただただ、醜いのだ。ただ唯一、人間らしさとして有ったのは主人公アーネストの子への愛情だったろうか。しかしそんな良心は飛礫のように消し飛ぶほどの、柔らかく長大に流れる川のような醜さがこの物語だった。
迫害・差別。
拝金主義。
権力。
原作タイトル『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』これに全てが集約されているようだ。
劇中ではシニカルギャグとして登場したが、デ・ニーロ扮するヘイルが捜査官へ吐き捨てる「エドガー?しらんな」というセリフ。エドガーとはいまや知らぬ人はいない、FBI初代長官のJ.エドガー・フーヴァーの事で、セリフの面白さは当のディカプリオがJ・エドガーを怪演したことで成立しているが、問題はこの事件への捜査を劇場型捜査として当時のフーヴァーがFBIの地位確立に最大限利用したとされることだ。
事実、終幕間際のラジオドラマシーン(これも事実のようだ)では、フーヴァー本人も出演したとのこと。捜査そのものは美徳でありつつ、そこにもまた権力追求の影があったりするわけだ。ただこの事は映画ではあまり触れられなかったようだ。
この映画から何を学べばよいのか。
その答えは終幕も終幕、ラストにやってくる。
誰か教えてほしいのだが、最後の語り部はスコセッシ監督本人だっただろうか。
そうか。本作が見せたかったのはこの「醜さを長時間見る苦痛」そのものなんだ。醜いものを見ることは何と苦痛なことか。それを長時間に渡り味わうことはさらに。
本作は、史実が過去の記憶として未来に埋もれることを拒否し、苦痛を事実として現代の記憶になすりつけた、スコセッシ監督の老婆心なのだ。
そう考えた。
悲しい
ただただ欲望にまみれた人間の悲しい部分を見せつけられる。
すぐカッとなってムキになって、小心者で、思い込みが激しくて、自分一人じゃ何もできなくて。
……という主人公のアーネストはいわゆる見事なまでに「ダメ男」なわけだが、どうにもこうにも軽蔑できない。
何だか自分の隠していたひとつの側面を暴かれているようで、とても嫌いになれず、それがまた無性に悲しくさせられるのだ。
金にだらしなく、自堕落で、それでも家族を愛していたことは本当で。
最後のウソは果たしてウソであったのか、あるいは本当に知らなかったのか。
モリーにどう答えれば、別れの結末を回避できたのか。
答えはない。
きっと、考えても答えが出る類の問いではない。
それでも、問いかけられた観客はきっと考えてしまうのだ。
自分なら、どう答えたろうか、と。
権力者は最後まで権力者であったことも無力感に支配される要因になる。
強者に喰われる側であったアーネストはどのような余生を送ったのか興味は尽きない。
206分の長時間だが、最後まで気が抜けることなく観終わった。
アーネスト役のディカプリオの、流されるまま流された先に何も残らないことに気づく(しかし気づいた時には既に遅い)優柔不断さを極めた葛藤の演技はあまりにも圧巻。
紛いもない傑作。
"意外に長く感じさせないサスペンス…(休憩無し)"な映画
鑑賞前は、上映時間3時間越しに気が引けたのですが、サスペンス作品でありテンポも良い展開で、意外に疲れませんでした(FBIの捜査やら裁判場面になってから多少だれたかな…笑)。
実話を元にしているお話とのこと。アメリカ史の良い勉強になりました。先住民であるネイティブ・アメリカンの土地から石油が出たということで、それに群がる白人の嫌らしさがよく描かれています。
しかし、モリーは病気だったとはいえ、自分の家族が夫やその叔父たちに無惨に何人も殺されているのを知った時、(意外と)静かな佇まいだったのは、なぜ?
夫への愛が強かったということ?
(違うとは思うが…)
ロバート・デ・ニーロ演じる"キング"は、彼らの言葉を覚えるほどネイティブ・アメリカンの人達からあんなに信頼されていたのに、あっけなく裏切ってしまったのは、なぜ?
彼らの財産が欲しかったから…というのは分からないでもないが…今ひとつ合点が行かないところが多々ありました。
原作本をぜひ読んでみたくなりました。
*あと、マーティン・スコセッシには、配信用ではなく(テレビ用ではなく)、映画館向けの"映画"を撮って欲しいな…この作品も(『アイリッシュマン』と同様で)なんかTVドラマを見せられているような気分でした。
*「オセージ族」で検索すると、この作品の元になった事件の背景についてより詳しく知ることが出来ますね。作品内では、法律や制度的な部分で理解が追いつかない場面もあったので、鑑賞前に予習しておくのに良いかも知れません。
*長尺の作品で登場人物も多いため、オフィシャルHPは人物相関図とかを用意してくれるとありがたい…。
ロバート・デ・ニーロの存在感!
スコセッシ監督でデ・ニーロとディカプリオでしょ、往年の映画ファンなら見ない手はないと思い鑑賞してきました。
上映時間は長いけど長さをあまり感じさせない興味深い内容でした。いや、興味深いというより怖かったですね。
何よりロバート・デ・ニーロが存在感たっぷりのラスボスを演じてて、まるでマフィアのドンのようです。久々にこういうデ・ニーロが見れてデ・ニーロの健在ぶりが嬉しかったです。ディカプリオもオセージ族のモリーに恋をしながらデ・ニーロ演じる叔父のキングには逆らえないちょっと情けない男アーネストを大熱演でした。
こういったことが過去にあったなんて本当に恐ろしく思いました。特に外面はいいが、裏で恐ろしい企みをして、自分の手は汚さず人を動かし、次々とオセージ族を消していくキングが超怖かった。保安官補というそれなりの地位もあり、いろんな人物とつながってるので本当に厄介な人物です。金のためならここまで残忍になれるんですね人間は。アーネストも薄々気付いてるはずなのにキングに逆らえずモリーにインシュリンという名の毒物を注射し続けるのも怖い。本当FBIが登場するまでどうなるかと思いましたよ、白人の狂気の世界に。モリーが死んでしまわないかハラハラドキドキしました。
最後、劇中劇みたいなオチは賛否両論かと思いますが、重厚な映画にちょっと一息つかせてもらいました。
一見の価値はある映画だと思います。モリー役のリリー・グラッドストーンという女優が良かったです。
見応えあり。
流石に後半はトイレへ行きたくて仕方なかった。
IMAXで見たが良かったのはエンドロールの音の余韻だったかな。
(都内のIMAXはとにかく見にくくて狭くて酔う印象)
内容はしっかり表現出来ていて良かったと思う、
少し感じたのが、俺はアジアとアメリカのハーフでアジア人である母が身籠った時に祖母に反対されていたり、親戚に色の白い白人の子だと言われていたのを思い出した。
日本語和訳で『純血の血が白くなる』と言う言葉は、色々と考える場面だった。
ブラックダイアモンド(石油問題は今も昔も骨肉の争いになり、そこに民族問題もあるから尚更泥々した展開になって行くと感じた。
ラストシーンにディカプリオが正直になれなかった?(本当に分からなかった?)ならなかった?(見ようとせず分かろうとしなかった)のはどんな心理が働いていたのか、とても気になった。
やはり少しは退屈しちゃいました
長いよスコセッシ!
マーティン・スコセッシ監督だからこそまとめられる超大作
昔「じゃじゃ馬億万長者」という大人気TVドラマがありましたが
現実に突然石油が湧いたらこんな事になってしまうという実話です
タイトル通りおぞましい連続殺人事件ですが傷口をえぐるような事はせず
マーティン・スコセッシ監督が優しく語ってくれます
最近は善人の役が多いデニーロですが久々に
善人の顔のまま大悪党マフィアの親分を演じています
デカプリオもまた誠実な顔とろくでもない悪党の2面性を見事に演じています
積極的あるいは気が向かないまま事件に巻き込まれていく悪党たちや
その様々な末路も丁寧に描かれており超大作に相応しい出来栄えとなっています
超長尺ですが昔は3時間を超える作品にはインターミッションが入る
と聞いたことがありカーペンターズが「トイレに行ってくるわ~」って
歌ってましたがどうやらそれはアメリカの話で日本ではぶっ通しなんですね
途中で中座する覚悟で観ましたが無事完走できました
あまり心情を描こうとはせずメカニカルに事実を分かり易く描いていくので
集中力が途切れることなく淡々と見続けることのできる作品です
エンドロールにロビー・ロバートソンの名前が出てきて
あれ?と思ったんですが生前に音楽を担当していたんですね
往年のロックスターがどんどんこの世界を卒業していくのも寂しいものです
人間の汚い部分を目一杯見れる面白さ。
おじのキングはとんでもない極悪人。オーセージ族から大金を奪うため、あの手この手で近づいてくる。
ディカプリオ演じるアーネストも、おじに言われて最初は金目当てでモーリーに近づき結婚するが、結局彼女を愛してしまう。
とはいえ、彼女の姉妹を殺したり、モーリーの薬に異物を混ぜたりとめちゃくちゃだ。頭がおかしい。狂ってる。
なのにちゃっかり3人の子どもを作ったり、妻を恋しがったり、極悪人にはなりきれない。末娘が亡くなった時には半狂乱になったりと、人間らしい部分も。人間の持つ感情や欲望、愛や憎しみといったあらゆる感情がアーネストを通して浮き彫りになる。
ディカプリオはそんな複雑な人物像をうまく演じていた。
サスペンスといっても、初めからキングが大元のボスだと分かっているんだけど、細かい部分は後から解き明かされる。残り1時間、連邦捜査官が現れてから面白さに拍車がかかる。
あと、アメリカ先住民ということで、スピリチュアルな描写も印象的だった。死ぬ前にフクロウが見えたり、先祖がお迎えが来たり……。
久々の長編作品に疲れましたが、めちゃくちゃ面白かったです。
久々の名作誕生
とても長い
見ている間はそれほど長さが気にならなくて、それは面白かったからなのだろうけど、それでも長い。半日つぶれてしまう。そして最後まで大丈夫だったけど、トイレのための休憩もない。どんなに長くてもインターミッションがないのは、何か意地でもあるのか意地悪なのか、本当に迷惑だ。2時間半を超える場合はインターミッションを入れる決まりにして欲しい。だったら家で見た方がずっといい。
インディアンで大金持ちがいたとは初めて知った。デ・ニーロが本当に悪者で、ひどいけど嘘がうまくて相手に悪意を抱かせない。感謝したまま殺された人もいただろう。悪者の鏡みたいな人物だ。
ディカプリオがアホの役なのだけど、顔がかっこいいから賢そうに見えてしまう。もっとアホだと思って見ればもっと面白かっただろう。最初に車の運転手をしていただけであとはずっと遊んでいるばかりでせいぜい子どもの面倒をみていたくらいだ。
変に金を持ちすぎるとろくなことがないという話だ。誰も幸せじゃなかった。
長くて誰が誰を殺したのか覚えていられない。
巨匠の大作なれど
観る側の受信機設定次第です
上映時間3時間26分ときくと「うへぇ」と思いますよね。
私も若い頃はマーティン・スコセッシ作品は「長い」「重い」イコール体力のある時でないとダメ、と思っていました。
でも10年ちょっと前にWOWOWでドラマ「ボードウォーク・エンパイヤ」を観た時に毎回おまけのメイキング映像と関係者インタビューをやっていて、各シーンの細部にいたるまでどれだけ登場人物の性格や心情にこだわって撮影しているのかがわかりまして、そのおかげでスコセッシ作品を観る際には自分の受信機設定をスコセッシのテンポとリズムに合わせるようになりました。すると、まぁドキドキワクワクとはいきませんが、内容をじっくりと味わうのが心地よくなってきて、長くてもお尻が痛くはならないのです。
私は、この作品で描かれたようなアメリカの歴史は知りませんでしたし、そうだったのかという発見もありましたが、なんか、働かずに大金を得て家事すらしない(ように見えました)被害者とお金に群がるだけの加害者という、基本的に働き者で貧乏性の日本人としてはまったく共感しない人々のお話でした。後半に登場した捜査官が仕事熱心なのにちょっと救われたかなぁ。急に大金を得ると不幸になるということですかね。日本で宝くじ当選金をとりに行かない人が一定数いるというのもわかります。
でもディカプリオとデニーロの存在感と演技力のおかげで、人物の多面性や複雑さ、悪役といいきれない魅力が醸し出されてよかったです。人間って奴ぁ、しゃあない奴っちゃなぁ…という気持ちになりました。
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