「人種差別がテーマの犯罪ドラマ」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン ゆいさんの映画レビュー(感想・評価)
人種差別がテーマの犯罪ドラマ
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オイルマネーを手に入れるために、インディアンの隣人を殺していくという本当に悪魔のような人間(白人)たちの物語。
白人がインディアン対して差別意識を持っているため、当時は金のためならインディアンを殺すことに大した罪の意識を感じなかったということなんだろうな。
実行犯が殆ど躊躇なくインディアンたちを殺すシーンはスコセッシらしい演出だけど、実際もこんな感じだったんだのかもしれない。
まぁ、オイルマネーが絡むと同族でも殺し合いになることはあるけどね。
インディアンを殺しても顔色ひとつ変えず、
最終的には自分の大切な人まで手に掛けようとする犯人が、自分の血を分けた子供が死んだ(殺された?)と聞かされたときに慟哭するシーンは滑稽の極み。
スコセッシ監督が描きたかったのはそこなんだろうなと思う。
デニーロの演技はお得意な役柄とはいえ、さすがの存在感。
ディカプリオはとても難しい役柄なんだが、完全な悪なのか、利用されているだけなのか、演技の方向性がボヤケてしまっていた感はあるな。
こういう内容の映画なんだから、中途半端に人間性や愛情を絡ませずに『インディアンなんて人間じゃねぇ』と犯人が偏っているくらいに振りきっても良かったのかもしれない。
事実ベースの作品で明確な謎解きも、意外な人が犯人とかのサプライズ的などんでん返しもなく、予想通りの範疇を超えない内容だが、それでも飽きさせないのは演出が上手いからなんだろうな。
宣伝内容に興味が持てた人なら観に行って損はないと思う。
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