オオカミの家のレビュー・感想・評価
全97件中、61~80件目を表示
見る人はかなり選びそう。要予告編などでのチェック。
今年302本目(合計952本目/今月(2023年9月度)12本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
※ この作品は「骨」とのセット放映の扱いである一方、このサイトでは「骨」は独立していますが、セット放映が基本で「骨」だけや「オオカミの家」だけを見ることはできないようなので、便宜上こちらに吸収します(10分程度のおまけ的な作品は二重カウントしません)。
大阪市ではもともと1週間遅れでの放映予定だったのですが、東京での放映がブレイクしたのか、早く見たいという声が多かったようで1週間前倒し(それでも日程からすれば正規)です。
結論からいうと、同時に放映される「骨」も含めてかなり人を選びそうな「アニメタッチな映画」ではあります。
ストーリーというストーリーが見出しにくい(確実にあるのは事実だが、一般指定にもかかわらずPG12と言われても仕方がないような表現が出てくる)ところや、「骨」(10分程度の短編アニメタッチの作品)があることを知らないと、いきなり「気味の悪い」映画が始まるので観客はパニックとなったりと(チケットって「●●も放映されます」とか「●●とのセットです」みたいな印字ってできないんでしょうか?)結構人を選ぶかな…といった感じです。
またこちらがわかりにくさを増幅させているのですが、本編(オオカミ~)のほう、理由は最初に提示されますが、スペイン語(南米系スペイン語)と「ドイツ語」というまったく違う言語をバラバラに話し始めるため、この点も映画の主人公というのが観念しにくい本映画では(アニメというより、アニメタッチで操り人形みたい。しいて観念的な主人公を言うなら「家そのもの」?)、誰が何を言っているのかもわからず混乱度は結構高かったりします。
少なくとも一般指定で見せていいのかな…という点がかなりきになったところです。
採点に関しては以下のようにしています。
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(減点0.3/好き好みがはっきりと分かれてしまうが、告知が不十分)
・ ここではまだ「予告編を見る」もありますが、「放映予定」の段階ではこの作品のいかんともしがたい表現部分について言及はなく、最初がまたこれまたよくわからない「骨」が突然始まったりするので、結構パニックになりそうです。
好き好みはあるかと思いますが、私には(ここの予告編も「事前に」みたうえでも)あいませんでした(特に最初に流れる10分ほどの「骨」が極端にヘンテコ)。
(減点0.2/映倫の定めるレーティングとは異なるように見える) ※ この点は減点0.2統一扱い
・ 一応、一般指定ではありますし、流血表現等もアニメタッチ作品ということで緩和はされていますが、「骨」の不気味さなどもあいまって、「セットとしてみたとき」PG12になるんじゃなかろうか…といったところです。
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JAM
東京での上映では満席が続出し、誰もがSNSでもレビューサイトでもヤバいを連呼しており、クレイジーな作品が大好きなので否が応でも期待が高まり、劇場へ突撃しました。
思っていた以上にアート系の作風で、70分台と短いはずなのに長く感じてしまいました。フィールドが家の中のみというのも退屈さを加速させてしまったのかなと思ってしまいました。
ヤバいと噂の映像たちは本当にヤバかったです。実写での人形と壁画のようなアニメを交互に映して、良い意味での違和感を生み出しており、不思議な気分にさせられました。立体的に登場せず、壁にマリアが映されてそこで口をパクパクさせる構図はかなり不気味でした。
大きく音量が変わるジャンプスケアな演出は皆無なんですが、ほんのちょっと音量を上げてマリーィアと呼ぶ声にはそのシーン毎にゾクっとさせられました。
元々いた場所が嫌になり飛び出して、自分より弱いものを支配下に置いたけれど、その支配したものたちに反発されて、元いた場所へ再び戻り苦悩する…というのを描きたかったんだろうなと思いますが、そのシンプルなテーマを伸ばし伸ばしで70分にした結果ダレたなって感じでした。中編アニメーションだったらまだ絵面のインパクトと物語の濃さがマッチしていたのかもしれませんが、そこのバランスはイマイチだったかなと思いました。
時代背景やコミュニティを知らないのもあってストーリー的には乗れませんでしたが、独特な表現から繰り出されるアニメーションは唯一無二のものだと思います。「骨」然り今作然り、次回作が既に楽しみなコンビです。アニメも作って欲しいですし、実写映画を撮ったらどんな世界観を広げていくのか、そういう意味でも今後が楽しみです。一応今作が5年前の作品なので、日本でのスマッシュヒットをきっかけに関連作が流れてくればなと思っています。
鑑賞日 9/5
鑑賞時間 19:00〜20:35(骨と併映)
座席 B-13
想像以上の体験でした
アリ・アスター絶賛との事で気になっていた作品。トレーラーからインパクトがすごかったです。
公開していざ観に行こうってなったら、劇場が極端に少ないんですね。
都内ではイメージフォーラムのみという、ものすごい壁の高さでした。
それは実在したカルト教団によるコミューン「コロニア・ディグニダ」をベースにした作品。
そしてその作品は想像以上の体験でした。
全編ストップモーションアニメなのですが、それがとんでもない。動く絵画のようでした。
パペットではなくクレイに近く、それは常に変化を続けているんです。
それだけでなくペイントも同居している、2Dと3Dが合わさった表現方法でした。
さらにカメラも固定ではなく動き続けている、一つの長回しでできていました。
これは見てもらうしかないのですが、それはとても強烈な世界でした。
腐敗と再生を繰り返すかのような身体と、ペイントが流れ血が滴っているような表情。
サウンドも含め全体のトーンは不穏。
怖くはないけど不安で、ずっと気味の悪い夢を見ているかのようでした。
ラストのセリフも“脱走者はどこまでも追跡され必ず連れ戻される”、そんなコロニアの恐ろしさが滲み出る一言でした。
そこに確かにあった恐ろしい出来事、それらを語り継いだおとぎ話のような作品でした。
何が見せたいのかさっぱりわからない
美しい山に囲まれたチリ南部のドイツ人集落で、動物好きな少女マリアは、ブタを逃してしまったた。そのために厳しい罰を受け、耐えきれず集落から脱走した。森の一軒家に逃げ込んだ彼女は、そこで2匹の子ブタに名前をつけ世話をするが、やがて森の奥からマリアを探すオオカミの声が聞こえてきた。マリアがおびえていると子ブタが変身し・・・てな話。
ストップモーションアニメ、で絵を書いていき、それを撮影していく膨大な労力をかけているのはわかる。
あまり観たことのない映像なので、貴重な体験だとは思ったが、何を観客に見せたいのかさっぱりわからなかった。
閉鎖されたコミュニティから出てはいけないという事?
カルト宗教っぽくもあり、ストーリーは理解が追いつかなかった。
もうそれシェパードやーん!
ほんまごめんなさい。私が悪かったです。もう勘弁して下さいってなった。私は無理でした。怖すぎる。あと5分長かったら緊張で気絶してる自信がある。あまりにも異様。お茶飲んでも味がしないくらい気分が悪かった。
それなのに取り返しがつかなくなる気がして一瞬も目が離せない。まさに呪われた74分間。(体感3時間
)カルトの話なのか、人間の業の話なのか、おうちは生きてるんだよって話なのか、豚は旨いよねって話なのか、なんでもいいから早く終わって欲しかった。この感情久々やわ。
単体のアートとしてはいいのかもやけど、映像にするとどっと疲れるね。いや、監督さんスタッフさんも大変な作業やったと思います。ただ申し訳ないですがこの映画の話は私はこれで終わりです。なので、夢には絶対に出てこないで下さい。
表現手法は凄い でも面白くはない
「ストップモーション・アニメ」なんだけど、その呼び名には収まりきらない、独創性に溢れた表現手法は一見の価値あり。ただ、その価値を堪能する目的だけなら、もっと短くていい。作品があまりにも長い。その長さを飽きさせないために必要な「面白さ」や「変化」が不足。独創的な表現ながら、それが同じテンポで繰り返し延々と続く。そしてストーリーも明確に流れるような展開ではなく、行ったり来たり、抽象的な詩的表現を積み重ねていく形。事前に「ナチスの残党が1960年代にチリで作った、コロニア・ディグニダのプロパガンダ映像の体で作られている」という情報だけは知った上で見ることをおすすめするが、あえて情報を入れずに感覚だけで見て、あえてところどころ置いてかれながらくらいつく、というのもそれはそれでアリかも。ただ寝落ちリスクあり。
本質的な嫌悪感
こんな力業のストップモーション見たことないです。
内容も賞賛したいけど、制作側の努力と精神力、アイディアに脱帽。
簡単に”面白い”だけだと言葉不足な作品だった。
一応フェイクドキュっぽい構成?になっていました。
『僕たちコミュニティは勘違いされがちなので、我々のことをもっと知ってもらうためにこちらのアニメーションをご覧ください!』
☝
へ??ガチなの???このスタートたまりませんね。
ホラー映画にない別角度からの恐怖体験をしました。
明らかにまずい状況なのに、何が起こっているのか分からない。
そして何がこの先待ち受けているのか分からない…
ただただ黒いBOXの中に閉じ込められて、明らかに何かが動いているのに身動きが取れない感じ…
インクが滴る”不気味さ”と”心地のいい効果音”で、見たいのに眠い…のループでした。
ぶっちゃけASMR感はあるけど致し方ない。
エマワトソンの「コロニア」見といてよかったです。
考察と言うよりも知識が必要なストーリーなので、十分理解したい方は2回目必須かも。
唯一無二の映像体験!なのだが
ゴメン、何度か意識が飛んでしまったです。
止まることを知らず変化し続ける絵や造形物は悪夢のような悍ましさだし、
音響もやけにリアル。
唯一無二の映像体験ができることは間違いないので、
お金払ってでも劇場で観る価値は十分ありますが、
みなさんおっしゃるように予習はしておいたほうが良いでしょう。
※ネタバレあり 骨 オオカミの家 感想
短編映画、「骨」との併映です。
※ネタバレあり 「骨」感想
骨は、なんか私が感覚おかしいって思われそうですが、大爆笑してしまいました。
だって人骨をバスケットに入れて森の中をルンルンお散歩とか、人骨でドンドコ叩いて召還とか、もうなんか不謹慎なんですけどシュールで面白くて。でも頭蓋骨が人の顔に変わったところあたりから笑いが止まって、逆になんか泣けてきました。この女の子は人の死体を操ってまで叶えたい願いだとか愛情があるんだなって思って勝手に泣けてしまいました。映像は人の呻くような声とかキーキーする音と相まってすごく怖いんですが。ちなみになんかチリのある歴史背景があって(ネットの監督インタビューに載ってました。)それを知るとちょっとだけ理解できるそうです。
個人的には感情を揺さぶられたって点で本編より好きでした。
※ネタバレあり「オオカミの家」感想
「骨」のインパクトがすごかったせいか、こっちは初めちょっと眠く感じました。ああ、変な映像だなあ、ぬるぬる動くなあ、すごく手間かかってるんだろうなあ、マリアきれいだなあ、みたいな。
アナとペドロについては、火事の時に焼いちゃって、それをマリアが食べたんだと思いました。(腕と足が生えて人になったのはマリアの妄想なのかなって思ってました。)
でもその事実をマリアは認めたくなくて、火事で生き残ったってことに頭の中で書き換えて、ついでに自分なりの「白人はきれい」って考え方でアナとペドロを理想化して、でもアナとペドロの残りを食べきっちゃってお腹がすいて、自分がアナとペドロを食べたのだって事実に直面しそうになって、それで、「アナとペドロが自分を食べようとしている」って主体と客体を反転させてオオカミに助けを求めたのかなって思いました。
少なくとも私は、自分が相手に対して悪いことを考えているのに、「相手が自分に対して悪いことを考えている」って反転させがちなことがあるので、そういうことなのかなって思いました。
そうやって主体と客体を反転させるのは、自分が悪いことを考えているという事実の無意識の罪悪感から逃れたいっていうのもあるのかもしれません。
そして無意識の罪悪感につけこんで洗脳は行われるのかなと思いました。そして一度洗脳を受けた人は同じように他の人を洗脳してしまう。人を洗脳するならその人の一生に責任を持てよ、閉じこめるなり殺すなりしてさ、ムリだろ、じゃあするな、っていうテーマに思えました。
なんにしても洗脳されないためには、私たちが自分自身の悪意を認める、ってことが必要なのかなって勝手に思いました。
映画から脱線しましたが、映像は評判通りすごかったです。こんな風に感想を話すと人間性を露呈しかねないので、なかなか感想を話し合う人を選ぶ映画だなって思いました。
言葉にするのは非常に難しい作品だぁ〜!
いやぁ,観た人は誰もが口にしてると思うが、(観た事が有る人が居たらスミマセン🙇)そりゃ初体験の映像で有り&何もかもが新鮮で有り&兎(ト)にも角(カク)にも凄い!!
誰かが言っていたと思うが,チリの2人組の監督らしくチリに実在したコミューン(スウェーデンの基礎自治体<何と無く調べた処に寄ると,日本で言う市町村に当たる事らしい>)に,着想を得て制作した内容もしっかり有るストップモーションアニメで作った事自体が凄い!!
1つ1つの細かい部分(マリアがブタを逃がしてしまった事と,新たに飼育仕出した子ブタに襲われる迄の過程)の心情を生身の人間で作品にしていない事で(狙い通りなのかな?)、面白い!と言うよりも私は繰り返し言ってる“凄い!”に尽きる。
映像表現は◯だが独特すぎてなにを伝えたいのか分かりづらい
約1時間の上映時間が3時間に感じられるほど退屈でした。
ーあらすじー
コロニーから抜け出したマリアの話。
逃亡先で逃がしてしまった豚を発見する。
その豚が徐々に変化し最終的には自分に牙を剝くようになる。
最終的には自分も同じように束縛して豚に牙を剥かれ助けを求めコロニーに戻るというもの。
...いや、分かりづらいわ!
30分で済む内容を延々と見せられてた。
プロパガンダ
事前にネトフリにあるドキュメンタリー『コロニア・ディクニダ』を観たけど、特に観なくてもwiki情報だけでもいいと思います。むしろドキュメンタリーの方がストレートに強烈過ぎて、映画の方は物足りなさと分かりにくさを感じてしまった。
結局、あの世界しか知らない少女は2匹のブタさん達に、いつの間にか同じような形で支配をし、最終的には元いたところに救いを求める。支配側のプロパガンダ映画として見たらいいと思います。
ああいう世界観は好きな人と苦手な人が分かれそう。
凄い才能from🇨🇱チリ
チリで実際に存在した元ナチス信奉者が運営する施設から脱走した女性のはなしをリアルサイズでやる立体アニメ。アイデア満載!
これは思い付いても実際撮影するのを躊躇してしまう作業量ですよ。とくに壁のペイントアニメと逆回長回し撮影がエグい。作業途中の釘もテープもタッカーも針金も表現に取り込んでしまう柔軟さと取り組むテーマの深淵さ、そのギャップにやられました。表現に対する判断が、ゆるいように見えるけど行き当たりばったりじゃ到底無理なんですよ。
比較すると「骨」の方が好みなんで4.5にしたけど5でも良かったかな。エグいアニメーターが地球のはずれでまた誕生したことを素直に喜びたい。
コロニアディグニタというチリの黒歴史は映画2本、最近公開されてた「コロニアの子供たち」はあっという間に上映終わったし、エマワトソンの「コロニア」もタイミングあわずチェックしてだけど見逃した。
どっかでまたやらないかな、、、。
同時上映の「骨」にもレヴュー書いたのでそちらもよろしければ見て下さい。
唯一無二の体験。これを映画と呼んでいいのか…?
チリ発のストップモーションアニメ。
フライヤーには『実在のコミューン:コロニア・ディグニダにインスパイアされたホラー・フェアリーテイル・アニメーション』とあるが…全く想像が付かなかった。この映画の正体を知るには、実際に鑑賞するしかなかったのである。
ちなみにコロニア・ディグニダとは、ピノチェト軍事政権下のチリに実在したコロニーらしい。キリスト教の教えをモットーに掲げた秩序ある集落の実態は、ドイツを追われた元ナチス党員が設立したカルト集落であり、性的虐待や強制労働、拷問が行われていたという。この恐ろしいコロニーからインスパイアされた作品?もう怖いのだが…。
ところが本作は、全くと言っていいほど怖くなかった。なぜなら、見たこともない驚愕の映像表現に夢中になり、怖がっている場合ではなかったからである。実寸大の部屋のセットの中で、ミニチュアではない等身大の人形を作っては壊わす、絵画を描いては塗りつぶす が繰り返され、空間が変容し続ける。それを全編ワンシーン・ワンカットで見せてくるのだ。1秒たりとも目が離せず、恐怖感を抱いている暇など無い。ある意味では、そんな状態にあったことが恐怖かもしれない…。
ストーリーは決して難しくはない。チリ南部のドイツ人集落に暮らす少女マリアがある日飼育していたブタを逃がしてしまい、それに対する厳しい処罰に耐えられず集落から脱走する。逃げ込んだ森の一軒家で出会った2匹の子ブタを世話をしながら隠れて暮らすことにしたマリア。子ブタが安心したのも束の間、森の奥からマリアを探すオオカミの声が迫ってくる。(このマリア~マリア~と呼ぶ声がめっちゃ不気味w)怯えるマリアに呼応するように、名前を与え洋服を着せ人間の子のように育てていた子ブタ2匹が恐ろしい姿に形を変え、家は悪夢のような禍々しい世界へと化していく。結局マリアは家を出て、オオカミの声がする方へと戻っていく…。
このストーリー、実在したコミューンで行われていた非道、そして本編前に上映された短編「骨」の設定を踏まえると、本作はコロニーで子供たちに見せている教育ビデオなのではないか?失敗は許されない、脱走してはならない、コロニーの外に幸せはない。そう洗脳する映像であり、オオカミの声はコロニーの教祖が子供達を招き入れようとする声なのではないか?そんな感覚に陥ってしまう。
本作の監督・脚本・美術・撮影・アニメーションを務めた2人組のビジュアル・アーティスト:クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ。ラテンアメリカの伝統文化に深く根差した宗教的象徴や魔術的儀式を、実験映画として表現するユニットだ。世界10カ所以上の美術館やギャラリーに撮影場所を構え、前述の通り実寸大の部屋のセットを組み、等身大の人形や絵画をミックスして制作、その制作過程や制作途中の映像をエキシビションの一環として公開しながら5年の歳月をかけて完成させたという。手のこみすぎた制作手法に、こんな贅沢な作品を見せてくれてありがとう!の気持ちだ。
これは果たして「映画」と呼べるのか?私は今「映画」を観ているのか?
唯一無二の映像表現に、瞬きはおろか呼吸すら忘れてしまうほど惹き込まれていた。実際、劇場内の観客はみな物音ひとつ立てずスクリーンを凝視しつづけていた(ように感じるほどの静かさだった)。その光景を俯瞰的に想像したとき、逃げられない黒い部屋の中に集められ、洗脳を受けている最中のような、異様な光景のようにも思えてくるのだ。「映画館で映画を観る」という行為、「映画」そのもの在り方にさえ疑問を投げかけてくるような、彼等からのプロパガンダのようにも思え、とんでもない作品に出合ってしまった驚きと喜びと、やっぱり恐怖に慄いていた。まさにカルト的だ…。
映像すばらしいんだけど〜、ぜんぜん悪くないんだけど〜。 ほーら不穏...
映像すばらしいんだけど〜、ぜんぜん悪くないんだけど〜。
ほーら不穏でしょ?悪夢でしょ?が、ちょっとうるさかったかな。すでにチェコの巨匠がいるわけで、今さら…全編そのまんまなことやられても…ねえ?
でもアニメーション素晴らしかった。
あらすじを読んでから視聴しましょう
あらすじ見ずに映画館に突撃した勢です。
つかみがよくわからず、ストーリー把握は見事に失敗しました。
みなさんのコメントを読んで、あらすじや内容を咀嚼できました。感謝。
ストップモーションでの表現は見事。表現がそのときそのときで代わったり曖昧になったり、コマ送りになっているのが、記憶を辿っているような感覚でおもしろい表現です。
内容も、「オオカミ」がなにかを考え始めると、あれこれ考えさせられる話となります。
気楽に見るエンタメではなく、何を表現したいか?を考えながらみると楽しいです。
またじっくり考えながら見たい映画ですね。
上映前の短辺、「骨」も、わりと狂気的な感覚で作った映画なので、楽しいです。
きっと戻りたくなる
「オオカミの家」
劇場で観てネットで解説を読んで
今ムシャムシャと噛み砕いている。
大きなコロニーから逃げ出した主人公は
新たな家=コロニーを作り出す
子ブタは我が子となり
ルールや秩序を教え込む
しかし、いつでも
彼女には聞こえるのだ
マリア...マリア...コロニーの教祖が囁やく声が
現実か?幻聴か?
クライマックスは
新たなコロニーでもうまくいかず
苦痛になった彼女は
囁やく声に懇願する
一言で表すと
逃げたのに結局力不足で最後には戻りたくなる
映像は
観たことのない
表現方法
絵から立体に
アニメーションとして
何度も壁は色を塗られていて
途方に暮れそうと感じた
だからこその圧倒的、強烈な映像は
むしろ麻薬のようだ
いつ終わるともしれない
異形にして純粋、邪悪でありながら無垢な想像力の結晶。
これほどの労力を掛けて生み出されるのがこの悪夢というのをどう理解すれば良いのか…?
正直、いつ終わるともしれない地獄巡りに気が遠くなった…
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