「元アイドルの語り中心で特に何も起きない」人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
元アイドルの語り中心で特に何も起きない
監督は『蒲田前奏曲「呑川ラプソディ」』の穐山茉由
脚本は『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』『私はいったい、何と闘っているのか』『金の国 水の国』の坪田文
元SDN48の大木亜希子原作
彼女は知らないがSDN48というアイドルグループの存在は知っている
09年から12年
ただそんなに活動期間が短かったとは
AKB48のお姉さん的存在
一期生として芹那や野呂佳代が所属していた
大木亜希子は二期生
恋愛自由という触れ込みなどが影響しアイドルオタクには人気が出なかったのだろう
秋元康に振り回された形だ
SDN48解散後アイドルからライターに転向した大木亜希子の体験談を元にしているらしい
ちなみに主演は元乃木坂46一期生
乃木坂46の存在はよく知っているが彼女の存在は『おもいで写眞』で知った
『空母いぶき』にも出演していたようだが印象がない
一期生ということもあり意外と年齢がいっている
20代かと思ったが30代だった
年齢のわりに可愛い
彼女がこの役を演じるのは必然かもしれない
原作者も監督も脚本家も主演俳優も全て女性
他者によってアラサー女性が再生する話
粗筋
貯金がつきライターの仕事もうまくいかなかった安希子は行き詰まっていた
友人ヒカリの勧めでヒカリの知人ササポンという56歳の独身男性とルームシェアで同居することになった
ありえない設定と思う人も多いかもしれないがそれはあくまで個人個人の狭い尺度の範囲内で判断してるからであって「ありえない!」と思うことが世の中では罷り通っているのが現実あるある
自分と共感できない人は排除する方針のネット民だとそういう傾向に陥るのだ
AVや風俗の仕事よりはマシだと思えって感じ?
たとえ雑談でも知らない人とコミュニケーションを深めることによって人間は成長し仕事にも好影響が出てくる
クロマニヨン人だって厳しい自然環境をお互いがコミュニケーションを深めることによって生き残り今我々が存在している
特に何も起きない
エロい展開にはならない
某サイトのえぐすぎるエロ漫画広告のような展開を求めてもそれを求める方がバカだ
全体的にぐだぐだ感を感じるがそれは主人公が置かれている社会的状況がそうだからだろう
井浦新に「いやらしさ」が全く感じられない
それが功を奏している
男としては複雑な思いで不本意かもしれないが
彼が演じるササポンは安希子曰く使い古したバスタオルのようで落ち着くらしい
ササポン曰く安希子は遠い親戚のお嬢さんを預かった感じ
作品としてはまあまあかな
そもそも内容からしてどう転んでも良くてまあまあだよ
安易に助平に走らなかったのは良い
配役
元アイドルで貧乏フリーライターの青木安希子に深川麻衣
ルームシェアで安希子を住まわせるサラリーマンのササポンに井浦新
安希子の友人で起業家の児玉ヒカリに松浦りょう
安希子の友人で俳優業を諦め結婚することになった景子に柳ゆり菜
景子の婚約者の隆に島丈明
カメラマンの高宮浩介に猪塚健太
ヒカリの知り合いの鳥羽宏文に三宅亮輔
安希子と景子の仕事仲間で配送センター内勤の明美に森高愛
雑誌「ブランシェ」編集長の木山由美に河井青葉
心療内科の医師の大熊に柳憂怜
ホテルマンに武藤卓
バーのマスターに久保雄司
高級レストランのウェイトレスに比良田朱里
ヒカリの部下に宮下咲
病院の患者に内藤トモヤ
患者の子供に横尾朝陽