「でも、これが私なんで。それを受け入れていくしかないなって。」人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
でも、これが私なんで。それを受け入れていくしかないなって。
深川麻衣がでると、見てしまう。「日本ボロ宿紀行」で決定的にハマった。だけど、どうも出演作に恵まれないようで、映画はあまりいい印象が残らないものばかりなのが残念。
そんな深川麻衣がヤサグレた元アイドルとして演じる安希子。自分の思い描く「幸せのカタチ」に行き詰まり、もがく。断じてしまえば、身の丈に合っていない人生を高望みしているように見える。このままなら、理想ばかり高すぎて自分を分かっていない嫌なやつ。しかし運命は誰と出会うかなのだな。友達と、同居人と。マイナスイオンを発しているかのようなおっさん、ササポン。彼の何気ない言葉が、安希子のひび割れた心のひだにしみじみと沁み込んでいく。そして今いる自分の立ち位置の見極めがしっかりとできていく。彼を紹介した友達もグッジョブだな。見返りを求めない、人の好意こそが、荒んだ心に伝わるのだよ。自分が何者なのか、肯定的に受け入れられて初めて、人生前向きになれるんじゃないかな。新しい靴は、それに気づいた自分へのご褒美だ。
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トミーさんのコメント
2023年11月5日
早口マシンガンで、自分の本質への視線を反らす! そんな時、自分を認めてくれた風の男にころっといってしまう。そうじゃなかった事を知って荒れた彼女を癒やしたのは、“適当に”距離感をとってただ居ただけのおっさんだった。整理してみるとヒロインのいい所ってホント少ない、一生懸命な所位ですかねぇ?