「【”幸せになりたい!”元アイドルのイタイ女性が世間体を気にしながら、同居する事になったオッサン含め他者により再生して行く姿を描いた作品。親友が二人もいて、同居人が井浦新さんだったら十分じゃない!】」人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”幸せになりたい!”元アイドルのイタイ女性が世間体を気にしながら、同居する事になったオッサン含め他者により再生して行く姿を描いた作品。親友が二人もいて、同居人が井浦新さんだったら十分じゃない!】
ー 前半のアキコ(深川麻衣)は観ていて、相当にイタイ。
プライドは高いが、現実は職なし、男はいるが良く分からない関係だし、残金10万だし・・。
けれど、そんな彼女に親友の女社長(松浦りょう)が言ってくれた事は、一軒家に住む56歳のオジサンサラリーマン、ササポン(井浦新)と一緒に住むという提案だった。-
◆感想
・アキコがメンタルを病み、元同級生でその後アイドルになりながらも売れなかった友人(柳ゆり菜)が結婚する事を知った時の、嬉しいと嫉妬が絡んだ複雑そうな表情。
又、有名雑誌編集長から会う予定をドタキャンされた時の表情。
ー 深川麻衣さんの過去作では余り見た記憶が無い表情が流石である。
眼の下に隈が出来た顔で”少しだけ、呪われろ!”と般若の顔で言うシーンが可笑しい。
深川さんって、般若の顔が似合うなあ・・。ホント、スイマセン・・。-
・ササポンを演じた井浦新さんが、流石の演技でナント、フツーのオジサンを演じている。
ー そして、ササポンとアキコの会話がナカナカ深くって・・。-
・ササポンは飄々としているが、時に的確な事をアキコにサラリと言ったりするのである。年の功であろう。
・アキコとササポンが、軽井沢の別荘に行った際に、ササポンは自分で育てた蕪などの野菜を丁寧に洗い、アキコにそのまま食べさせるのである。
ー ”ここの野菜を食べていると、色んなことがどうでも良くなるんだよね・・。”ー
・アキコがササポンに”死にたくなった事はありますか”と聞いた時のササポンの答え。”離婚した時・・。”
ー 何となくササポンが、さり気無くアキコを気遣っていた理由が分かる気がしたよ。-
・ササポンはアキコが盲腸で倒れた時も、出張途中から戻って来て救急車を呼び、入院させているし、アキコの誕生日にはさり気無くプレゼントを机の上に置いたりしている。
ー 親友の女社長が、ササポンに”彼女、大丈夫ですか?”と聞いた時の答えも良い。
”うーん、遠い親戚の大事なお嬢様を預かっている感じかな。”-
<今作は、大きなストーリー展開はない地味めの映画であるが。ササポンとアキコの会話を楽しみたい作品である。
今まであまり見た記憶が無い深川麻衣さんの般若の表情で口にする台詞なども可笑しい。
井浦新さんって、様々な文化活動をしているし、美術にも造詣が深い方だが、普段は今作のササポンみたいな飄々とした感じなのかな。
離婚はしたくないけれど、器の大きいあんなオジサンになりたいと思った作品である。>
コメントありがとうございます。
ササポンのギラギラ時代って想像出来ませんよね、過去でもカーディガンですから。資産が有りそうなので、トレーダーとか代理店とか? 無理して営業してたんじゃないか、その時奥さんと知り合ったとか?
共感ありがとうございます。
ササポンの恬淡とした感じが、安希子を楽にさせていき、見守りで救われていく。スイカで好きだった男を思い出す所、好きでした、残りのスイカにラップかける所も。
「福田村事件」「アンダーカレント」を観たせいで、必要以上のキャストかぶり恐怖症になっていましたが、今作はのんびりした役で、演技も良かった。少し雌伏して下さい。