「仮面の毒親」佇むモンスター odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
仮面の毒親
モンスター映画は好きなのでタイトルに惹かれ鑑賞、なんと児童虐待の白マスクを被った母親がモンスターでした。主に社会派ドキュメンタリーを制作する北田直俊監督が2021年に歌舞伎町のホテル23階から9歳の男子を突き落とした母親の児童虐待事件に触発され作った社会派ドラマ。調べてみたら歌舞伎町の事件は無理心中を図ったらしい、母親は獄中で自殺だから本作の事件とは微妙に違う。ただ、児童虐待のニュースはよく聞くし、児童相談所も警察もお役所仕事丸出しで親身になって問題に向き合わないのは実態に近いのだろうから、一応は批判的な社会派ドラマだが脚色には疑問、少女が母親に殺される不条理な悲劇に母親の素顔を出さず仮面の毒親、なぜ主人公をちんけな怪獣映画の自主製作をする配達人にしてホラー・コメディタッチに仕立てたのだろう。愛犬コロが出てくるのは暗い話の中でせめてもの癒しだったのに施設で死亡にするのはもってのほか。心痛むばかりでした。
ただ、主人公の「人類なんて糞くらえ、滅亡して初めて平和が訪れる・・」という最後の独白はどうなんでしょう。
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