「最高!」哀れなるものたち manamboさんの映画レビュー(感想・評価)
最高!
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洒脱で不気味で深い。ランティモス節が炸裂した作品。
大人の女の身体を持って誕生したベラは、ジュディス・バトラーの表現を借りれば「ジェンダーと欲望を概念化している異性愛のマトリクス」に、そして支配と欲望を概念化している資本主義のマトリクスにも取り込まれず、それら幻想の世界を支配する主体である哀れなるものたちをぶち壊し、女・男の二元論とは異次元の成熟した人間として成長する。現実に絶望し、ベラに哲学なんか役に立たないと語るハリーに、あなたは壊れた少年、世界の痛みに耐えられなかったんだねと微笑み、自ら絶望の先の道を迷わず進むベラ。この世界の痛みに耐えられるか、その問いは私たちに向けられている。
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