「ブレードランナー 19世紀」哀れなるものたち じゅんぢさんの映画レビュー(感想・評価)
ブレードランナー 19世紀
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ブレードランナーのレプリカント=レイチェルは精神を安定させるために別人の記憶を移植されていた。この映画のベラは胎児の脳を移植された、言わば記憶の無いレプリカントだ。
なるほど情緒不安定で善悪の区別もできず、マナーやモラルに欠けている。ゆえに成人するまでのモノクロ映像パートは不快なシーンのオンパレードで、これが赤ちゃんや子どもであれば笑って許せるのだけど、成人女性だと眉をひそめてしまう自分自身の感情に驚いてしまう。
しかし心は純粋無垢。それ故に、遊びのつもりでベラを誘惑した弁護士が心底ベラに惚れて自滅していく様は、思わず同情してしまった。弁護士を演じたマーク・ラファロはハルクとは比べ物にならないくらいの芸達者ぶりの演技力。もうハルクは完全に卒業して欲しい。
さらにこれが復讐劇に転じて行く過程は一種のカタルシスさえあるが、オチだけはちょっと不満。
(以下、ネタばれ)
過去の夫に復讐でヤギの脳を移植してしまうが、どうせなら親であるゴッドウィンの脳を移植させて欲しかったな。まあさすがに倫理的にダメかもしれないけど。
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